青春学園テニス部

□俺とアンタ…
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「ちょっ!国光…やめて下さい。」

朝からなんなんだ、この人は。

「リョーマ、いいだろ?今だけだ…今だけ。」

本当は好き、大好きとかいってみたい。
抱きしめたい…でも、

「国光今日は会社の会議でしょ?遅れたらヤバいんじゃない?」

「…そうかもしれない。」

絶対ヤバイって…

「着替えて、俺飯作りますから。」

「あぁ、だがすまない時間が無い…だから俺の飯はいい。」

やっぱり。
俺はやっぱこの人と居ないと…

「…ですよね、そう言うと思ったんで、おにぎり作っておきました。」

「…すごいな。」

「中、梅干っす。」

「そうか、美味しくいただこう。」

表情が少し柔らかくなった気がした。
国光の大きな背中が遠く思えた…
何でだろうか…

俺は大学生になった。
国光は社会人になった…

ライバル社は跡部さんとこみたいで、今戦いが激しいらしくて…
今日もまた遅くなるって言ってた。

「リョーマ、いって来る。」

「うん。」

「リョーマ…」

「…?何。」

「…何でも無い。」

表情が寂しくなった…
一瞬だけど。

こんなに不安になったり、悲しくなったり同居する時より、もっと…前…
国光に合うまでは無かったのに…

人を好きになるなんて…
考えても見なかった。

同い年の竜崎桜乃とは、付き合ったりもしたけどなんだかすれ違いが多くて…

相手を傷つけてしまった。
それから俺は人を好きになるのが怖くなった…
また繰り返すんじゃ無いかって。
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