舞台裏のイケナイ王子様
□たるんでる俺も好きになってくれよ…
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「もう、冬休みに入ってしまったね…」
「…そうだな」
「俺達、進路はもう決まったし…なんだか俺…この三年間に人生の全てを賭けてしまったきがするよ…」
「…そうか?幸村…」
「ああ…弦一郎。」
「俺は今…これから人生を賭けようとしている…」
「それはどういう事かい?」
「…俺はお前…幸村の事が…」
「…うん、言わなくても分かっているさ。俺も弦一郎と同じ気持ちだろうからさ…。」
「…うむ、そうか」
久しぶりに照れている弦一郎はとても可愛い…
俺達は冬休みが過ぎてしまえばあっという間に高校生になってしまうだろう…
そうなれば、丸井、ジャッカル、仁王、柳生、柳、赤也、そして弦一郎にも会えなくなってしまうだろう…
「…幸村、そんなに淋しそうな顔をするな…お前がそんなだと、俺まで悲しくなる…せめて俺の前だけでも笑っていてほしい…。」
「…随分真田らしくない事を言うね(笑)」
「たとえ行く道は違えども、俺はお前から離れたりはしない…いや、出来ないだろうな…。」
「それも弦一郎と同じかな?」
現在俺達はコタツの中にいて、弦一郎はテーブルの上に置いてある煎餅をつまみながら、俺ん家でのんびりしている…
ふと、会話がとだえ俺はある悪戯を考える…
わざと足を伸ばして向こうにいる弦一郎の膝の上に俺の足を乗っけてみた…
「幸村…何をしている?」
「なんだろうね…」
イマイチ笑えない反応にため息がでそうになるのを抑えて、作戦を考え直す…
そう…
俺達は、まだ一度もヤった事がない…
女の子共無いのに…
男となんて…
順序とか、雰囲気とか必要だとしても…
そっちにもち込むのは簡単じゃない…
弦一郎だし…
そこが一番の難関だ…
キスをしようとした時でさえ…
何をたくらんどるのだ?たるんでる!!
あーもー…
せっかくのムードを…