青春学園テニス部

□俺とアンタ…
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空いてしまった俺の心の隙間を埋めるみたいにそっと、あんたは俺に話しかけてきた。

優しくて、無愛想で…
だからこそ護りたくなる。
離したく無い。

絶対に、もう昔みたくなりたくない…
離れたくはないけど、俺の事邪魔になるんだったら頼むから俺を捨てて?

俺は、国光を苦しめたくは無い。
だから…

正直怖い…

捨てられるんじゃ無いかって…

何も持ってない俺が国光のものを取ってる様な気がして、バイトはしてる。

でも、やっぱり…

「夜になっちゃった。」

国光は帰って来ない。
冬では無いのに、春なのにどうして?
こんなに寒いんだろうか?
そうか、国光が…

…いない

「ただいま。」

リョーマ…

寝てしまったか。

「リョーマ、好き…好きだ。」

届かないだろう。
今は…

「リョーマ、愛してる。」

今も、
昔も、
前も、
これからもずっと…

お前は一体何がそんなに不安なんだろうか?
俺は一体何をすればいいのだろうか?
お前に何をしてやれるのだろうか?

お前が中学生二年になって、桃城から越前が竜崎と付き合っているという事を聞いて胸が苦しくなった。

だが、邪魔してはいけない。
あいつの幸せを俺は壊してはいけない…

好きだから。

愛してる。

「寒くて泣いているのならば、俺に言ってくれないか?そうしたら俺は、お前を温めてやる。」

体で。
言葉で。
心で。

「…つ…」

「?」

「…国光…す…き…」

「あぁ…」

「あしてる…」

「俺もだよ…」

あぁ、暖かい。

そうか、温められていたのは俺の方かもしれない。
愛されていたのも俺なのかもしれない。

リョーマ、好きだ…
お前よりもずっと…

お前が好きだ。
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