中央
□依存の庭
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やつらとは違う。
なんて甘美な言葉だろう、とエースは思った。
しかし現実は、あと少しして自分がここを去っても、ルフィの旅はあのクルー達と続いていくのだ。
そこに自分はいない。
いや、先に手放したのは自分だ。
エースは自嘲気味に笑った。
「俺は嬉しいぜ、ルフィ。そう言ってもらえんのは、俺が唯一だろな。」
「当たり前だろ。エースは…違うかもしんねぇけど。」
「はぁ?」
「エースは、その、白ひげとかいうおっさんのために生きてんだろ。」
誰かが、あの庭にやってくる。
土足でズカズカと綺麗な芝生を汚しながら。
あそこは俺の大事な場所。
あそこでは、ルフィは俺に依存して生きている。
俺が与える口づけに、喜び震えて。
指で触れれば甘えた声で鳴く。
俺の身体の全てを欲し、しなやかな白い脚を開く。
俺しか受け入れない身体。
俺しか受け入れない心…。
そこを汚すのは誰だ?
いくらお前でも、駄目だ。
「俺にヤラれてぇのか、ルフィ?」
低い声のエースに、ルフィは戸惑った。
「エー…ス?」
すると、エースは唇が噛み切れるほどの勢いでルフィのそれを唇で塞ぎながら、ルフィにのし掛かった。
お前があの庭に来ることは、許さない。
だって。
お前は、俺だけじゃ生きていけないだろ…。
エンド