中央
□秘密
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「やんのか、グル眉!」
いきなり立ち上がったゾロに、応戦するかの如くサンジも椅子を倒して立ち上がる。
「わー、やめろよ二人とも!」
チョッパーは自分の夕食の皿を確保しながら、あたふたしていて。
喧嘩勃発のなかでもルフィは、ゾロとサンジの皿の肉に手を伸ばしながら、なにやら思うことがあるような顔をしていた。
それをロビンは静かに眺めながら、船長さんはどうでるのかしら?などと口元をあげた。
夕食の騒ぎの後、クルー達は思い思いの場所に散らばった。
「ゾロ。」
船首の甲板に寝そべっていたゾロの元に、ルフィがやってきた。
「チョッパーが絆創膏貼っとけって。」
ゾロはサンジとの喧嘩で小さな掠り傷を作っていた。
「んなヤワじゃねぇ。」
不機嫌そうにゾロは言ってルフィを避けるように背を向けた。
「船医の命令だぞ。」
そんな子供じみたゾロに、可笑しそうにルフィは言って、ゾロの首筋にある掠り傷に絆創膏を張った。
それを見てルフィは更に笑った。
「なんかやらしー跡隠してるみてーだな、これ。」
すると、ガバッとゾロは起き上がり、笑うルフィの腕を強く掴んだ。
「ゾ、ゾロ…?…いてェ…。」
突然のゾロの行動にルフィはたじろいだ。ゾロの指がルフィの腕の皮膚に食い込む。
「………なんも知らねぇで、そうゆうこと言うんじゃねぇ。」
その時、痛いのはルフィのはずなのに、辛そうな顔をしてたのはゾロだった。
そんなゾロを見て、ルフィは黒い瞳を揺らした。
「……辛いか、ゾロ。」