中央
□ガーネット
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「……これ、なんだ?」
朝起きて、自分の脚の、手でいうとこの中指に違和感を覚えたエースは、掛けていた毛布を剥いでそれを見つけた。
深紅の石がはめ込まれた指輪。
そんな物が自分の脚の指にあるなんて、全く覚えのない話で。
途方に暮れ、寝ぐせの頭を抱えた。
フッと、自分のベッドにもう一人の温度があることを思い出し…。
「……ルフィ?」
昨日の深夜、突然、ルフィがエースの滞在している島に来た。
いや、エースの滞在している宿に。
本当に突然だったから、思い出話や旅路の話などする余裕や時間もなく、すぐに昔みたいに一緒のベッドで寝てしまったのだった。
これは、ルフィが?
エースは自分の髪を掻き乱し、そして、無性にルフィの体温を感じたくなって、その体に覆い被さるように抱き締めた。
「…ん?……エースぅ…?」
大好きな重みを体に受け、ルフィは目を覚まし身を捩った。
「ルフィ、俺の脚に何した?」
可笑しそうに聞いてくるエースの言葉に、あ、とルフィは起き上がろうとする。
しかし、体はエースの下敷きになっていて叶わなかった。
「エース…。」
困って、近いエースの顔を覗き込むルフィに。
「あれは?」
エースは意地悪くまた聞いてきた。
しばらく、言いよどんでいたルフィは、いよいよ観念したように顔を赤らめて言った。
「……土産だ。」
「土産?」
ルフィはエースから顔を逸らすように、横を向いた。
「……この前、寄った島で、見つけたんだ。」
横を向いて、晒されたルフィの首筋までも赤くなっていて。
「……エースの、誕生石…。」
エースはその首筋に触れたくなった。
「俺の?」
「……そう、ガーネット。ナミが教えてくれた…。」