中央

□ガーネット
1ページ/4ページ

「……これ、なんだ?」

朝起きて、自分の脚の、手でいうとこの中指に違和感を覚えたエースは、掛けていた毛布を剥いでそれを見つけた。

深紅の石がはめ込まれた指輪。

そんな物が自分の脚の指にあるなんて、全く覚えのない話で。

途方に暮れ、寝ぐせの頭を抱えた。

フッと、自分のベッドにもう一人の温度があることを思い出し…。

「……ルフィ?」

昨日の深夜、突然、ルフィがエースの滞在している島に来た。
いや、エースの滞在している宿に。

本当に突然だったから、思い出話や旅路の話などする余裕や時間もなく、すぐに昔みたいに一緒のベッドで寝てしまったのだった。

これは、ルフィが?

エースは自分の髪を掻き乱し、そして、無性にルフィの体温を感じたくなって、その体に覆い被さるように抱き締めた。

「…ん?……エースぅ…?」

大好きな重みを体に受け、ルフィは目を覚まし身を捩った。

「ルフィ、俺の脚に何した?」

可笑しそうに聞いてくるエースの言葉に、あ、とルフィは起き上がろうとする。

しかし、体はエースの下敷きになっていて叶わなかった。

「エース…。」

困って、近いエースの顔を覗き込むルフィに。

「あれは?」

エースは意地悪くまた聞いてきた。

しばらく、言いよどんでいたルフィは、いよいよ観念したように顔を赤らめて言った。

「……土産だ。」

「土産?」

ルフィはエースから顔を逸らすように、横を向いた。

「……この前、寄った島で、見つけたんだ。」

横を向いて、晒されたルフィの首筋までも赤くなっていて。

「……エースの、誕生石…。」

エースはその首筋に触れたくなった。

「俺の?」

「……そう、ガーネット。ナミが教えてくれた…。」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ