中央

□壊れた映写機
1ページ/4ページ

「ナミさ〜ん、ロビンちゃ〜ん。お茶にしませんかぁ!」

船内はサンジの作ったケーキの甘い香りで満たされていた。

サンジの呼び掛けに、ダイニングの椅子にロビンとナミは腰掛けた。
しかし、ナミは部屋をぐるりと見渡してから首を傾げる。

それを見てロビンが口を開く。

「…船長さん、いないわね…。」

「そうよね。いつもなら、真っ先にいるのに。」

ナミは更に首を傾げる。

そこへ、まだ半分目が覚めてないゾロが扉を開けてやってきた。

「あ、ゾロ。」

ナミの呼び掛けに、なんだ、とゾロは顔を向ける。

「ルフィは?」

そう問われ、しばらく考えてゾロは。

「…見張り台にいたぞ。」

と答えた。

「ケーキがあるのに?こんな甘い香りがするのに?」

「俺に言われてもな…。」

「連れてきなさいよ。後になってグチグチ言われるの疲れるから。」

「お前がいけよ、ナミ。」

面倒くさそうに扉を閉めようとするゾロに、ナミは駄目っ!と言い放った。

「あぁ?」

「その位置からすぐじゃない!私はもう座ってるの。」

「……どんな言い分だよ、それ…。」

ゾロは呆れてこれ以上ナミに返すのが面倒になった。
踵を返し、ダイニングを後にした。




「ルフィ。おい、ルフィ!」

見張り台に向かい、ゾロは声を張り上げた。

下からはちゃんと見張り台にルフィの麦藁が見えている。
しかし、ルフィからの返事は返ってこなかった。

「なんだ?」

ゾロは面倒くせぇな、と舌打ちしながら見張り台への足場を登っていった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ