中央
□秘密
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「やっぱさー、ヘンじゃねぇか?」
ウソップが唐突そう言い出した。
「何がだ?」
夕食のテーブルに集まっていたクルー達が一斉にウソップを見やり、そのなかでサンジが尋ねた。
「あの千年龍に憧れてたヤツに記憶を盗まれた時だよ。」
「なんの話しだ?」
「ゾロはさ、記憶がないうえに催眠をかけられてたんだぜ。なのによ、ルフィにあんな胸の浅い傷だけしか付けれなかったなんてヘンじゃねぇか?」
そう言うウソップに、隣に座ってテーブルにある食べ物を全て平らげる勢いのルフィが、手を止めた。
「ウソップ、何言ってんだ?」
「だってなルフィ…。」
「俺が強ぇからに決まってんだろ!いくらゾロでも斬られる気がしねぇ!」
自信満々に言うルフィに、ウソップは嫌ーな顔をしてみせた。
それを見ていたナミが黙々と我関せずという風に夕食の肉を頬張るゾロに向く。
「どうなのよ、ゾロ。」
すると、チラッと目をあげてゾロは面倒くさそうに応えた。
「あぁ?」
「まさか潜在的にキャプテンを守ったとか?」
「くだらねぇ、俺は覚えてねぇんだ。」
「そうなの。」
面白い回答がなかったことにナミは、つまんないとぼやいた。
しかし、ウソップは違っていた。
「ゾロは嘘をついているっ!」
「てめっ!」
「ルフィは刃物は弱点だろ?ゾロの本気なら…。」
睨むゾロの気迫に、ウソップの語尾は弱々しくなっていった。
「なるほどな。ウソップの考えにも一理ある。」
サンジはタバコに火をつけながら頷く。