復活dream
□PROMISE
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ツナはわたしとの約束を破ったことがない。
たとえ学校の課題を忘れたって、自分の大切な用事を忘れたって、
何故かわたしとの約束は覚えてくれている。
それはいつ、どんなときだって同じだった。
「行くんだ?」
「……行ってくる」
いつもの朝、いつものこと。
仕事に行くツナを、門まで見送る。
暗黙の了解、いつの間にか決まっていた二人の約束。
もちろん他の部下たちもいるけど、わたしが見送らなかったことはただの一度もない。
「早く帰ってきてね」
「パスタ食べに行くんだろ?」
わかってるよ、と笑いながら言うツナに当然っ、と相槌をうつ。
そして出かけていった半身の帰りを待ちながら、彼の代わりにファミリーを仕切るのがわたしの役目だ。
ツナはわたしとの約束を破ったことがない。
たとえ書類の書き漏らしがあったって、自分が休むのを忘れたって。
わたしとの約束を破ったことはない。
わたしとの約束は覚えていてくれてた、のに。
「……バカツナっ」
生まれて初めて、ツナが約束を破った。
ある晴れた日、雲一つない空の下。
一生帰ってくることのない半身を、
それでもわたしは待ち続けるだろう。
p R m I s E
だってそれは、
わたしと彼の最後の約束だから。
090203