復活dream

□PROMISE
1ページ/1ページ


ツナはわたしとの約束を破ったことがない。
たとえ学校の課題を忘れたって、自分の大切な用事を忘れたって、
何故かわたしとの約束は覚えてくれている。
それはいつ、どんなときだって同じだった。

「行くんだ?」
「……行ってくる」

いつもの朝、いつものこと。
仕事に行くツナを、門まで見送る。
暗黙の了解、いつの間にか決まっていた二人の約束。
もちろん他の部下たちもいるけど、わたしが見送らなかったことはただの一度もない。

「早く帰ってきてね」
「パスタ食べに行くんだろ?」

わかってるよ、と笑いながら言うツナに当然っ、と相槌をうつ。
そして出かけていった半身の帰りを待ちながら、彼の代わりにファミリーを仕切るのがわたしの役目だ。

ツナはわたしとの約束を破ったことがない。
たとえ書類の書き漏らしがあったって、自分が休むのを忘れたって。
わたしとの約束を破ったことはない。
わたしとの約束は覚えていてくれてた、のに。

「……バカツナっ」


生まれて初めて、ツナが約束を破った。
ある晴れた日、雲一つない空の下。

一生帰ってくることのない半身を、
それでもわたしは待ち続けるだろう。



p R m I s E


だってそれは、
わたしと彼の最後の約束だから。





090203

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]