短編集6(小説)

□リグレットメッセージ
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    「姐さん!今行きますよ」



村外れの小さな岸辺 一人たたずむ男

この海に昔からある 密かな言い伝え


願いを書いた和紙を 小瓶に入れて

海に流せばいつの日か 想いは実るでしょう


流れていけガラスの小瓶 願いを込めたメッセージ

水平線の彼方に 静かに消えていけ


君はいつも俺だけのために なんでもしてくれたのに

俺はいつも我侭ばかり 姐さんを困らせてた


もしも君の願い事が 叶うならば

この海に俺の想い 流してもらおう...


流れていけ小さな想い 涙は想いのリグレット

君の想いに気付いたのは 全て終わった後



    「姐さん」

    「俺は貴女が好きなんです」

    「この文は届かないでしょう」

    「それならそれで,」

    「俺は幸せですから」

    「俺は」



流れていけ小さな小瓶 想いを込めたメッセージ

水平線の彼方に 静かに消えていけ


紡がれていくこの想い リグレットはもういらないんだ

もしも生まれ変われるならば...



    「その時俺も姐さんと一緒にいます。約束しますよ!」




グレットメッセージ
    「馬借便です!判子お願いします」


俺の幸せ 姐さんの幸せ

いつまでも語り継がれればいい


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