捧げ物

□サラダ食べて…
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窓から入り込む光と、心地の良い温もりに次第に意識が浮上していく。
だがこの心地の良い温もりに意識は、はっきりと覚醒せずに微睡みの中を漂っていた


ぎしりと遠くの方で音がしたと思った後に隣に感じた重みに嬉しさが広がると同時に、少しの不安が生まれ
微睡みを抜けるように重い瞼を持ち上げる

瞼を押し開け目を開けば、隣で未だ寝息をたてているバギーの姿が視界いっぱいに飛び込んできた。
昨晩の事情の痕が付いた年相応の男の身体――…


その姿を確認し、安堵の息を吐く。

(…良かった、元に戻ってる…いつものバギーだ)

いつもと変わらない姿に嬉しさが込み上がりだらしなく頬が緩むのが自分でも分かってしまう。
だが、どうしようもなく嬉しくて仕方がないのだ。

実を言えば、少なからずバギーに対して申し訳ない気持ちがあった。
昨晩、女の姿になってしまったバギーに発情してしまいついつい、サカってしまった。
勿論バギー゙が゙女体になっていたから襲ったまでであり、別段女性が抱きたかった訳ではなく、どんなアクシデントか知らないが、女性の姿になってしまったバギーだからこそつい、サカってしまったのだ。
だがしかし、自分は男の姿のバギーが好きなわけで何とも言えない…浮気とも言い難い気持ちに頭を抱えていた。
頭を抱えていた。とは語弊があるかもしれないが、悩む程度には不安があった。

(でも、昨日の女のバギーよりもこっちのごつごつした男のバギーがやっぱり一番好きだって思える程に俺も変態なのかもな…)

少し悩んだところで頭を使うことは止め、すぐに気持ちをシフトチェンジさせる
いつまでも悩んでいても仕方はないしこのままでは埒があかないことは一目瞭然に等しい、何よりも悩むことは性に合わない。
もとより悩むこと事態避けていたこともあり、切り替えは実に素晴らしいものであった。

窓から入り込む光は二人を柔らかく包み込み
バギーの髪は光が当たりきらきらと透けるような青が目に眩しいが、それよりも綺麗。美しい。愛おしい。等の感情が込み上げ、気付いたらバギーの髪に手が伸びていた
後頭部を撫でるように髪を梳きながらはらはらと掬っては落として、掬っては落としてを繰り返していた。



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