オリジナル作品

□第一章
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ガラガラ――…

教室に入ると仲のいい友人が、ぽつぽつといた。

「おはよー!寺木!今年もよろしくね!」

「紅葉!紅葉も同クラだったのか、こちらこそよろしくな!」

今、悠に話しかけてきた少女は、桂紅葉。
この少女は去年のクラスでも悠と一緒だったのだ。

「女子は結構知ってる人は多いけど、男子はあんまり喋ったことの無い奴ばっかだな」

「そうだね。私も女子の大半は仲いいけど、男子はそんなにかな」

「まぁこれから仲良くなればいいっか」

「だね♪」

悠と紅葉が話していると、数人の女子が二人に近寄ってきた。

「おはよう、寺木、紅葉。初の同クラだね、よろしく!」

「静香に桃、それに神無に満月じゃんか!」

「クラスメイトとしてよろしくね!」

左から説明すると、安藤静香、菊原桃、望月神無、佐々木満月である。
この四人とは仲はいいが、同じクラスになったことは過去に一度たりともない。

「教室入ったら、まさか寺木がいるとは思わなかったよ」

「なんだよその言い方。私がいちゃいけないみたいな言い方だな」

「そんなこと一言も言ってないじゃない?ねぇ?」

「本当、性格だけは変わらないな桃は」

「大きなお世話よ!」

あははは――…

悠と桃のやり取りを聞いていた他のメンバーたちは笑っていた。

ガラガラ――…

「おーい、席に座れー。えーこれから一年間、このクラスの担任になった永井だ、よろしくな」

「おっしゃぁー!!」

「永井が担任かよ〜」

「よろしくお願いしまーす!」

「マジ!?最高なんだけど!」

みんなの反応はそれぞれだった。

悠というと……

「おぉ、永井クラスか。私は授業以外で一緒いなったことはないけど、なんだか楽しそうだな!」

「私は二回目かな?でも、永井はいい先生だよね」

「あれ、紅葉って永井クラスになったことあったっけ?」

「うん、中2の時」

悠のクラス担任の永井……永井大(まさる)は、体育と保健の教師である。
身長は190cmと大柄で、歳は今年で30歳とまだ若い方の教員だ。
ルックスはよく、すらっとした長身と程よくついた筋肉、そしてなにより今だ少し幼さを残す笑顔に何人もの女子生徒が心奪われているとか……

「まず、出席をとるぞー。安藤」



――――……



キーンコーンカーンコーン――…

「今日のHRは以上だ。次の時間は各教科担任の紹介をするから、大人しくしてろよー」

「はーい」

「教科担任かっこいい先生がいいなぁ」

「そうだよねぇ〜、ゴリ松とかだったら最悪〜」

「絶対無理!!」

「国語の教員、女がいいよな!」

「しかも、若くて美人な子がいいよな!」

「だよな〜。坂田ブーは勘弁だけどな(笑)」

「言えてるー!!」

HRが終わると、男女ともに各教科担任のことが気になるようだ。

「寺木、この技術の先生って男かな?それとも女かな?もしかして年寄りとか!?」

「そんなのわかるわけないだろ(汗)第一、一回も授業をうけたことがないのに知っているわけがないだろ?」

「そうだよね〜。かっこいい先生だといいなぁ」

配られた時間割に目を通して見ると、「技術:千葉」とのみ書かれている。

「技術か……」
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