猫のお話

□みんな大好き!ぬこぬ皇帝
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みんな大好き!ぬこぬ皇帝



戦国パーリィ!出張版 今日はにゃんの日

バサリ!と音を立てて、1つの旗が戦場に翻った。
「にゃははははは!このニャーロック、誰の旗の下にもつかん!俺は俺だけの旗を掲げる!この自由の旗の下、おにょれの信念の為にだけ戦うにゃ!」
ぬこぬ皇帝陛下がこのセリフを口にしたならば、翻る旗印はもちろん黒地に白く染め抜いた髑髏マーク(ただし猫ミミ付)
「ああ、今日は宇宙海ぬこの日なんだね!」
そう言ってポンと手を叩き、頭に鉢巻きで取り付けていた違法改造ハンドルを、急いで操舵輪に付け替えるスザク。
「Hayルルーシュ!なかなかcoolな装束じゃねえか!」
隻眼はそのままに、青の陣羽織から髑髏マーク(くどいようだが猫ミミ付)の黒装束に姿を変えたぬこぬ皇帝陛下に、奥州筆頭はピュウ!と口笛を吹く。
「よーし小十郎!こっちも旗を掲げろ!俺達の自由の旗だ!」
「お言葉ですが政宗様、貴方様が掲げるのは伊達の旗印です」
だが、ノリノリの奥州筆頭の耳には、腹心の嘆きの声など届かない。
そしてノリノリ気質な主に鍛え抜かれた、主以上にノリノリ気質な伊達軍兵士達は、ウオーッ!と雄叫びを上げて新調したばかりの旗を掲げる。
紺地に銀刺繍の竜紋と、金刺繍の『奥州筆頭☆推参』の文字が目に眩い。いや眩しすぎて目に痛い。涙が出そうだ…いろんな意味で…
頭痛を堪えるように目元を押さえた小十郎である。
だがこんなことでメゲていては伊達軍の副将なんて張っていられない。
戦場に集う各軍だって、皆一瞬目を見張ったものの、ああいつもの伊達軍か〜で納得しているではないか。
「政ちゃん!中央突破にゃ!」
「おう!guy’s!ド派手なpartyだ!たっぷり楽しめよ!」
「yeah!!」
伊達、ぬこ連合軍は、雄叫びを上げて戦場へと突っ込んで行く。
「ま、政宗様!お待ち下さい!斯様な面妖な装束で…っ!」
「Ah?似合わねえか?」
「大丈夫にゃ!よく似合ってるにゃ!まるで本人がそこにいるが如くにゃ!」
「え〜、でもルルーシュ、あの方は重力サーベルと戦士の銃の二丁流で、六爪流じゃなかったよ〜」
「黙れスニャク!似合ってるからいいんにゃ!」
戦場に翻るのは、髑髏の旗と竜の旗。そしてぬこぬ皇帝陛下と奥州筆頭の背の黒いマント。そう…黒マント…
「筆頭ーっ!すっげー似合ってますぜ!」
「ルル陛下も似合ってますぜ!くろまんと!」
「お二人とも格好良くて可愛くて惚れ直しちゃいますぜ!」
「夜の戦のお相手もお願いしてえくらいです!」
口々に褒めそやす伊達軍面々…あ、4人目が極殺とくるくるキックで地に沈んだ。
「くっ!こんなことなら腹ァ掻っ捌いてでも『宇宙海賊のこすぷれ』とやらをお止めするんだった!」
「Ha!俺とルルーシュがこの装束を着た時、お前、結構羨ましそうな顔してたくせによ!」
「こじゅろーさんも869のコスプレしたかったにゃ?でもこじゅろーさんは強面すぎて、キャプテン893ににゃっちゃうにゃ!」
「どうでも良いけど、そろそろ敵軍の真ん中に突っ込むよっ!ルルーシュ…じゃない、キャプテン!しっかり舵輪に掴まっててね!」
群がる敵軍の足軽隊を吹っ飛ばしながら、伊達ぬこ連合軍は戦場を突き進む。
だが、猛進する連合軍の前に、新たな旗が翻った。
「にゃ!あの旗は!」
「紫地に鬼の面!西海の鬼か!」
「独眼竜とちっこい独眼猫ちゃんよぅ!本家本元の海賊であるこの俺を差し置いて海賊を名乗るたぁ、いーい度胸してやがるじゃねえか!」
伊達軍の前に立ち塞がる西海の鬼、長宗我部元親は、紫地に白く染め抜いた髑髏マーク(ただし鬼ツノ付)の装束に紫のマント姿。
いやいやいや、色々間違ってるぞ、長宗我部。だいたいお前んとこの旗印は鬼の面じゃねえだろうが!…と、ますます小十郎の頭痛は激しさを増す。
だが当のご本人は至って御満悦で、小十郎の心情なんか気にしちゃいない。
「どーでぃ!この俺様こそ海賊の中の海賊!海賊王ってヤツだ!独眼猫ちゃんよぅ!俄海賊の独眼竜よりも、この俺、長宗我部元親様と同盟を組もうじゃねえか!ほらほら、俺も片目で眼帯してるしよ!」
「にゃ!紫色の869にゃんて認めにゃい!それにあの人はお前みたいにゃガッチリムッチリ体型じゃにゃい!しにゃやかで強靭にゃ上半身を支えるほっそりとした腰にキュッと引き締まった美小尻!スラリとにゃがくて細い脚!どれを取っても政ちゃんの方が似ているにゃ!眼帯だって左じゃにゃくて右にゃーっ!」
UMA改めニャルカディア号となったスザクの頭の上で、操舵輪を握ったぬこぬ皇帝陛下が、ふんす!と胸を張って言い切る。
「よって偽物はお前にゃ!政ちゃん!突破にゃ!」
「OK!869の偽物め!竜の爪を喰らいやがれ!DEATH FANG!」
ドッカーンと技が炸裂し、哀れ長宗我部元親は『あんただって869の偽物じゃねーか!』と叫びながら、お空の彼方へ飛んで行った。
「guy’s!Go straight!天下はこの独眼竜がいただくぜーっ!」
目指すは戦場のど真ん中。
だが、またしても伊達軍の前に新たな旗が翻る。
「やっとお出ましか!真田幸村ァ!」
赤地に三色団子を染め抜いた旗印に、政宗は目をぎらつかせた。
立ち塞がる真田幸村は、真っ赤な装束と赤いマント姿。胸に白く染め抜かれた髑髏マークの下に、交差させた2本の三色団子。
「ささささ佐助、何故このような面妖な装束を着なければならぬのだ!?」
「う〜ん、なんか独眼猫ちゃんのご要望らしいよ?いいから旦那は黙って俺様に任せて!」
「お、おう」
「ってことで〜、ん〜コホンコホン、私は大宇宙の魔女、エメラ●ダス。誰にも私の行く手を遮ることは許さない。退きなさい、869」
「おおお〜!エメ●ルダスの声真似、お上手ですにゃ」
猿飛佐助の声真似に、ぬこぬ皇帝陛下は思わずパチパチと拍手する。
「お褒めにあずかっちゃってどうも〜。で、ここから先は真田の旦那が通さないよ〜!さあ旦那、やっちゃってやっちゃって!」
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