誕生日のお話

□ぬこぬ皇帝陛下のお誕生日
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ぬこぬ皇帝陛下のお誕生日はそりゃもうタイヘン!



数日前からスザクの様子がおかしい。ぬこぬ皇帝陛下はそう感じていた。
いつもならぬこぬ皇帝陛下に不埒者が近づかないように睨みを利かせてお側に控え移動する時はこの上なく大事にそして迅速にぬこぬ皇帝陛下を抱っこして動くと言うのに、スザクはここ最近上の空だった。
「スニャク、謁見の間じゃにゃくてエグゼリカ庭園にゃ。ひにゃたぼっこと言ったろう?」
「え?ああごめん、ちょっとぼんやりしてたみたいだ」
スザクは急いで行き先を変更する。
「お前、にゃんか最近おかしいにゃ。一生に一度あるかにゃいかの風邪ひきか?」
「ひどいなぁ。僕だって人並みに風邪くらいひくよ。そうじゃなくてちょっと…ね」
人並みに風邪ひくなんてウソだ。だってバカは風邪ひかない…などとつらつら考えるぬこぬ皇帝陛下である。
「にゃ!そっちはニャイトミャアの訓練所にゃ!俺がいきたいのはエグゼリカ庭園にゃ!」
「ああはいはい、ごめんごめん」
「もう良いにゃ!今日はC.C.に連れてってもらうにゃ!」
ぬこぬ皇帝陛下はスザクの腕からぴょんと飛び出した。
「ああ…そう…気をつけてね、ルルーシュ」
普段ならあり得ない反応にぬこぬ皇帝陛下は首を傾げる。いつものスザクなら『キミの乗り物は僕だけだーっ!』と絶対に譲らないと言うのに今日はあっさり納得して行ってしまう。
「にゃんだ?悪いものでも拾い食いしたかにゃ?繁華街のにゃまゴミとかG除けのホウ酸ダンゴとか…」
「恋…だな」
「にゃにゃあ!びっくりしたにゃ!いきにゃり声をかけるにゃC.C.!」
いつの間に立っていたものやら、ぬこぬ皇帝陛下の背後にいたC.C.がニヤニヤ笑いながら言った。
「で、にゃんだって?」
「だから恋だなと。生ゴミだろうがホウ酸ダンゴだろうが毒生肉だろうがヤツなら拾い食いしても体調不良になることなどないだろう。あそこまで思いつめた顔してるのは恋愛絡みだろう」
「???…はうっ!発情期かにゃ!?」
C.C.はブッと吹き出した。
「アハハ…!そうだな、そう言うことだ。いや待てよ?アイツは年中発情期だからそうではないな」
「どういうことにゃ?」
「だから年中サカっているアイツだが、本命の好きな子でもできたのだろうと言うことだ」
ぬこぬ皇帝陛下は腕組みしてしばし考え込む。そして大きく頷いた。
「スニャクも親ばにゃれする時期が来たんだにゃ?」
「そうかも知れん」
「にゃらば俺は全力で応援しよう!子供が親からはにゃれていくのは成長の証にゃ!親はそれを見守り応援する義務があるにゃ!皇帝としての責務にゃ!」
なんか色々勘違いしているぞルルーシュ、とC.C.は思ったが面白いことになりそうなので黙って見守ることにした。親は子供を見守るのが務めだと今ルルーシュが言ったではないか…あれ?
「まずは好きににゃった子とにゃか良くにゃれるように元気をつけてやるにゃ!」
ぬこぬ皇帝陛下はちこちこ歩き出そうとしてふと足を止めた。
「でも困ったにゃ…元気をつけてやるためににゃんか獲物を捕ってやりたいがもう冬だから虫もトカゲもいにゃいにゃ。Gにゃらいるかも知れにゃいがアレを追いかけると咲夜子に怒られちゃうにゃ…」
ぬこぬ皇帝陛下はう〜んう〜んと一生懸命考える。
「そうにゃ!スズメにゃ!スズメにゃらエグゼリカ庭園にいっぱいいるにゃ!一回も狩りに成功したことにゃいけどスニャクのために頑張るにゃ!」
「あっ、こら待て!スズメ捕るなんてお前には無理だ!転んでケガするのがオチだぞ!そうなったら私が咲夜子に怒られてしまうではないか!」
ちこちこ走っていってしまうぬこぬ皇帝陛下をC.C.は慌てて追いかけた。
そしてどうしても行くのだと駄々をこねられて渋々エグゼリカ庭園にぬこぬ皇帝陛下を連れてやってきたC.C.だが狩りの様子を見て安堵する。なぜならば…
「にゃごにゃごにゃごにゃご…にゃごにゃごにゃごにゃごにゃご…」
獲物を前に喉の奥から無意識に声を洩らしてしまうぬこぬ皇帝陛下。その声にスズメ達はにゃんこが来たぞーっ!とぬこぬ皇帝陛下が飛びかかる前にパッと逃げてしまう。
野生や野良の猫なら狩りは静かに気配を消して獲物に近づくものだが野生の血をお持ちではないぬこぬ皇帝陛下にはそれがどうしてもできないらしい。
「にゃんで近づく前に逃げちゃうにゃ!」
それはお前がにゃごにゃご言いながら近づくからだ…とは言えないC.C.であった。





子供(スニャク)のために頑張るにゃーっ!スズメがダメにゃら池にいる鴨捕るにゃーっ!(無理だと思ったヤツ、そこへにゃおれ!)
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