キリリク小説
□a summer festival
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「来週の土曜は久しぶりの休みだー」
と、退は自室のカレンダーを見た。
「あ、この日…」
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「あ?祭り?」
「はい。たしか副長もこの日は休みですよね?よかったら一緒に行きませんか?」
退はドキドキしながら聞いた。
土方は
「まぁ暇だし別に」
―やった♪副長と一緒に祭りだっ―
と、喜んだ時
「山崎、女よけになるから女装してこいよ」
「はいよっ。…へ?」
―えぇーっ!!―
上機嫌に返事をしてしまった。
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当日
退はちゃんと女装して待ち合わせ場所の神社の鳥居前で土方を待っていた。
―うぅ…恥ずかしいな…―
退は何処かおかしな所がないか浴衣を何度も見なおして、くるくる回っていた。
そんなことをしていたら
「おい。何やってんだ?」
後ろから声をかけられビクッとして声の主に向いた。
「副…土方さん。遅いですよ」
プイッとそっぽを向いた。
いつもと違う色っぽい退に土方は
「お前浴衣着ると綺麗だな」
と褒めた。
いつもより頑張って女装したのだから内心嬉しいのに
「い、言っとくけど別に土方さんのためじゃないんですからねっ!」
などと照れながら顔を赤くした。
「ふーん」
と言いながら顔を近付けてきた。
「あーもうあんまり顔近づけないでくださいよ。ひゃぅ、くすぐった…って、何においかいでんですか!」
「なんか甘い匂いがすっから」
「ああ、シャンプーですよ。さっきお風呂に入ってきたんですっ!そ、そんなことより行きますよっ」
顔が近すぎてドキドキが止まらず、スタスタと歩きだした。