キリリク小説

□sweetly
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「副長」
縁の下に座ってタバコを吸っている土方に退が近付いて隣に座り、服をピンピンっと引っ張った。

「あ?なんだよ」

「ちぅしたい」

「…は?」
タバコの灰がボロッと落ちた。

「だからキスがしたいんです。」

「すればいいだろ?」
そう言って視線を外し、またタバコを吸いはじめた。

「じゃなくて、してほしいんです」
と、口を尖らせた。

「意味わかんねぇー」
煙を吐いた。

ガンッとショックを受け
「愛が足りない…」
と、退が呟いた。

―それだけのことで愛が足りないだと…?―

少しムッときて
「ほら」
と、ちゅっと音をたて軽いキスをした。

キスをしてもらった退は頬を染めヘラりと笑って抱きついた。
「へへっ」

―幸せそうな顔しやがって…―
そう思いながらタバコを消した。

退はじーっと上目遣いで土方を見て
「副長…」

「んだよ。」
まだなんかあんのか?と横目で退を見た。

「俺のこと…好きですか?」
退は苦笑した。

「…」

何も言わない土方から離れ
「…はは。すいません。調子にのり過ぎました」

今にでも走って逃げそうな退に手をのばし、頭を掴んで引き寄せキスをし、それから自分の膝の上に乗せて抱きしめた。
「好きじゃなきゃこんなことしねーよ」


そう言われ退はギュッと土方の服を握りしめた。
「俺は好き。土方さんが大好き…」

「退」

呼ばれて顔をあげた途端またキスをされ土方の手が太ももを撫でた。
「んっ」
退はパッと唇を放し、顔を真っ赤にして
「副ちょぅ…ここじゃ…嫌です」

そう言ったら退を担いで立った。
「えっ?ちょ、何?」

「何って、ここじゃ嫌なんだろ?」
と、歩きだした。

「そ、そうですけど、今、昼間ですよ!てか、仕事」

「あぁ?だから?シたい時に昼間とか関係ねーだろ」

「うっ…」
そう言われて何も言えなかった。
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