キリリク小説
□your kind
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銀さんの部屋を掃除し、布団を干そうとしたら布団に長い黒髪が落ちていた。
新八はそれを掴んでじーっと見つめた。
「…」
―浮気?―
一つの不安を心の中に落とし、二人に昼食をだした。
「…銀さん。昨日僕が帰った後って何してました?」
「昨日?んー別にいつも通りテレビ見てたくらいか。なんで?」
漬物をぽりぽり食べながら銀時は答えた。
「えっ…何してたのかな?って思って…」
疑ってることが嫌で目を泳がせてしまった。
「私は定春のブラッシングしてたヨ」
神楽の言葉に銀時が何か思い出した顔をし
「あ、神楽が定春にかまってる時にヅラが来たんだった」
それを聞き銀時を見て
「桂さん?」
「そういえばエリザベスと喧嘩したとかそんなことほざいてたネ」
「それで俺の布団でふて寝しやがったから俺、今日ソファーで寝たんよ。だから体ガチガチ。新ちゃんあとで肩揉んで」
「「年寄り」」
神楽と新八が揃えて言った。
ガーンっと銀時がショックを受けている間、新八は
―なんだ桂さんの髪の毛だったんだ―
と、新八はホッとした。
「で、いつ帰ったんですか?」
「エリザベスが朝早く来てヅラが渋々帰って行きました」
銀時が少し拗ねながら言った。
「銀ちゃん大人げないネ。ごちそうさまアル。」
神楽はそう言い、定春と外へ行ってしまった。
新八も食べ終わり、神楽が使った食器も一緒に持って立ち上がった。
台所へ向かってる時に新八が、くるりと振り返り
「銀さん。買い物に行きたいのでスクーターだしてくださいよ」
「どーせ俺は年寄りだからそれくらいしかできませんよー」
と、ブツブツと答えた。
新八はため息をついて
「今日はお菓子買っていいですよ?」
それを聞いた銀時は昼食をかきこむように口に入れ
「ふぁ、いふは!(じゃ、行くか!)」
と、ハムスターのように頬にため込み笑顔で言った。
本当はわかっているが
「何言ってるかわかりませんよ」
と、新八は笑った。