学園小説
□wait
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土方さんに携帯番号とメアドを教えてから電話がかかってきたことは一回だけ
番号を俺に教える為だけの電話
メールもそうだった
[FROM:*****@ne.jp
俺のメアドこれだから登録しろよ 土方]
「え…これだけ?」
少し不満を持ちながら登録をして
[TO:土方さん
わかりました]
と返信した
毎日、そのメール内容を眺めては
「まぁ偽りの恋人だし仕方ないか」
と呟き、携帯をパタンッとたたむのが日課
―特に俺から連絡することもないし、学校にいる時は大体一緒にいるしなぁ…休日は逢ったことないな―
「まぁ部活忙しいし…」
と言っていたらいきなりデコピンをくらった
「あだっ、なんですかっ?」
涙目になりながら土方を見た
「何、ブツブツ言ってんだ?すっげー百面相してたぞ」
―ハッ!!一緒に理科室に移動中だった!いつもなら新八君と行くのに風邪で休みだし、沖田君はサボるし…―
おでこを擦った
「何か忘れ物でもしたのか?戻るか?」
「あ、いえっ、大丈夫です」
退はポケットに携帯を入れた
「…ならいいが」
退の携帯をしまうところをチラリと見てから理科室に入った
************
放課後になり、部室に行こうと玄関に行き靴を履きかえようとした
「あ…土方さん、俺先生に頼まれ事あったの忘れてたから今日はここで…土方さんも部活頑張ってね!じゃあ、また明日ね!」
と言い放ち、廊下を走りだした
「おい山崎、職員室と反対方向だぞ…」
その言葉は退の耳には入らなかった
土方は退の下駄箱を見た
「……」