学園小説

□anxious
1ページ/4ページ

―私たちは幼なじみで、私はあなたがいるからこの学校に来たのに…私はずっとあなたと結ばれると信じていたネ…―

屋上で寝ていて、そろそろ戻るかと思い、体を起こしたら俺は見てしまった。

彼女が泣いている姿を…

そんな彼女と目が合ってしまった。
「何。お前趣味悪いネ」
と、俺を睨んだ。

―可哀想と思ったが前言撤回だ―

「別に。ただ起き上がったら、たまたま(強調)お前さんが勝手に視界に入ってきやがったんでさぁ」
と、笑顔で言ってやった。

ピシッっとした空気が流れた。

―これが俺たちの最悪な出会い―

そのまま無言で俺は彼女の横を通り過ぎ、ドアを開けた。
「ちょっと待つアル!」

呼び止められ振り返った。
「なんでぃ?別に泣いてたことなんて誰にも言わないと思いますぜぃ」

「言ったら絶対コロシてやるネ!お前名前は!?」

「普通、名前聞くなら先に名のるのが礼儀ってのを知らないんですかい?」
と、鼻で笑ってやった。

「一年の神楽ヨ!」
ムッとしながら答えた。

「俺も一年。沖田でさぁ。」
そう言って手をひらひら振ってドアをバタンと閉め階段を降りた。

教室に鞄を取って部室へ行った。

「総悟、お前掃除サボって何処行ってたんだよ」
部室に入ったら先にいた土方に言われた。

「寝てやした」
鞄をロッカーに入れ上着を脱いだ。

「はぁ…まぁいい。早く用意しろよ」
土方は先に部室から出て行った。

「へーい…」

―あいつの泣き顔が頭から離れねぇ…―

「なんで泣いてたんでぃ?」
気付くとボソッと声にだしていた。

その日の部活はうわの空で全然気合いが入らなかった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ