学園小説
□anxious
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―私たちは幼なじみで、私はあなたがいるからこの学校に来たのに…私はずっとあなたと結ばれると信じていたネ…―
屋上で寝ていて、そろそろ戻るかと思い、体を起こしたら俺は見てしまった。
彼女が泣いている姿を…
そんな彼女と目が合ってしまった。
「何。お前趣味悪いネ」
と、俺を睨んだ。
―可哀想と思ったが前言撤回だ―
「別に。ただ起き上がったら、たまたま(強調)お前さんが勝手に視界に入ってきやがったんでさぁ」
と、笑顔で言ってやった。
ピシッっとした空気が流れた。
―これが俺たちの最悪な出会い―
そのまま無言で俺は彼女の横を通り過ぎ、ドアを開けた。
「ちょっと待つアル!」
呼び止められ振り返った。
「なんでぃ?別に泣いてたことなんて誰にも言わないと思いますぜぃ」
「言ったら絶対コロシてやるネ!お前名前は!?」
「普通、名前聞くなら先に名のるのが礼儀ってのを知らないんですかい?」
と、鼻で笑ってやった。
「一年の神楽ヨ!」
ムッとしながら答えた。
「俺も一年。沖田でさぁ。」
そう言って手をひらひら振ってドアをバタンと閉め階段を降りた。
教室に鞄を取って部室へ行った。
「総悟、お前掃除サボって何処行ってたんだよ」
部室に入ったら先にいた土方に言われた。
「寝てやした」
鞄をロッカーに入れ上着を脱いだ。
「はぁ…まぁいい。早く用意しろよ」
土方は先に部室から出て行った。
「へーい…」
―あいつの泣き顔が頭から離れねぇ…―
「なんで泣いてたんでぃ?」
気付くとボソッと声にだしていた。
その日の部活はうわの空で全然気合いが入らなかった。