学園小説

□jealousy
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朝、退は寮を出て学校に行こうとしたら寮門に土方が立っていた。

土方が退をみつけて
「おはよう」
と話かけてきた。

「…おはようございます。どうしたんですか?」

「どうしたんですか?って迎えにきたんだよ。」

なんで?と退は首を傾げた。

「お前昨日のこと忘れたのか?」

退は少し考えて
―昨日?…土方君に付き合おうって…―
思い出し、顔を真っ赤にし大声で
「あ!」
っと叫んでしまった。

土方は、まぁいいかと手をとり歩きだした。
「あのっ、別に一緒に登校してもいいですけど…手はちょっと…」

「じゃあ」
手を離し、退の肩を抱いた。
「だ、ダメです!」

「んだよ。どっちがいいんだよ?」
土方が不機嫌に言った。

「うぅ…」
退は困ってしまった。

土方はプイッと前を向いて歩きだした。
退は俯きながら後ろを歩く。

学校に着き、なんだか退を見る人が多い。
見てはヒソヒソ話をされる。

―俺、何かしたかな?―

土方が先に教室に入り、後から退が入った。

退は自分の席に着き
―なんか教室にいても視線が痛いな…―

そんなことを考えていたら
「山崎君」
と、後ろから声をかけられた。
振り向くと眼鏡をかけた男の子だった。
「えっと…」

「同じクラスの志村新八です。よろしく。」

「よ、よろしく。何?」

「聞きたいことがあるんだけど…」

「え?うん。何」
ここじゃ話づらいと小声で言われ屋上に行った。

「土方君と付き合ってるって本当なんですか?」

「あ、えっ!なっ」
退は顔をカーっと真っ赤にした。

「その驚き。じゃ本当なんですね…」
と新八が少し離れた。

「本当だけど、本当じゃないんです!」
避けられたことに少しショックを受けた。

「プッ。避けたのは冗談ですよ。」

半泣きしながら
「え?」

「だって恋愛は自由じゃないですか。好きならしょうがないですよ」

「…違うんです」
退は新八にだけ事情を話した。
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