学園小説
□anxious
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「俺のクラスの志村新八君でさぁ」
沖田が近藤に紹介した。
「どうも義弟君」
「どうも…誰が義弟ですか?」
新八が笑顔なのに黒いオーラを飛ばした。
「…っで泣いてたのはあのメガネの女の子だっけ?」
近藤が汗をだらだらかきながら沖田のほうを向いた。
「神楽ちゃんですか?」
新八が言った。
沖田は少し不機嫌になり
「なんで…知ってるんでぃ」
「姉の友達ですから。神楽ちゃんが泣くなんて見間違いじゃないですか?」
と、笑った。
「…なんで?」
「だって男の僕より強いし、すっごい食べるんですよ。そして元気すぎるし。でも悩み事があるのかもしれないですね」
新八はうーんと考えた。
―俺は昨日あいつに逢ったから性格なんて知らない…―
「まぁ別に俺には関係ねーし」
と、スピードをあげて行ってしまった。
授業が終わり放課後部活に向かう途中
「ちょっと待つネ」
と、後ろから声をかけられた。
「なんでぃ」
屋上に連れてこられた。
「誰にも言ってないカ?」
「あーたぶん」
「その曖昧なのはムカつくネ!」
と飛び蹴りをしてきた。
それをスッとかわし
「何で泣いていたんでぃ?」
「…お前には関係「ある」
沖田が真剣な顔で言った。
「理由くらい聞かないと俺が…」
ハッと気付き
―俺がこいつを気になる?なんで?―
沖田が悶々と悩みはじめていた時、神楽が首をかしげてからため息をつき
「私、失恋したネ」
と苦笑した。
「え?」
沖田は神楽のほうを向いた。
「好きで好きで追いかけてたネ…やっと同じ学校に来れた。逢えたのに…」
神楽はポロポロと涙を流した。
「好きな人がいるって…」
それを見た途端、体がかってに動き神楽を抱きしめた。
「失恋したなら新しい恋をしたほうがいいでさぁ」
と、慰めた。
今はまだ、それが恋とも気付かずに、ただ彼女が泣き止むまで抱きしめた。
END.
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