学園小説
□anxious
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その帰り道、近藤が
「総悟どーしたんだ?いつもなら皆をバシバシ叩くのに今日は反対に叩かれるなんて。なんか悩みでもあるのか?」
―悩み―
「別に。最近土方さんの付き合いが悪くて、いじめがいがないとか思ってませんぜ」
近藤はそう思ってんのかと苦笑いした。
「近藤さん」
「お、なんだ?」
「女が泣く時ってどんな時ですかぃ?」
「そ、総悟…お前誰か泣かしたのか!」
「違います。たまたま泣いてる所を見たんでぃ」
顎に手をあてて
「んーそうだなぁ…女性が泣くとしたら、嫌なことをされたとか太ったとかじゃないか?」
沖田は聞いたものの、近藤さんに聞いても女性と付き合ったことないし参考にならないなと思った。
「そんなもんなんですかねぇ」
翌日の体育の時間
マラソンではじめての男女混合体育だった。
それまでは男子が校庭だった場合、女子は体育館と別れていた。
体育は自分のクラスだけでなく隣のクラスと一緒で昨日の女の姿を見かけた。
「あー昨日の!」
神楽がわなわなと沖田を指差した。
「あ、人を指差すんじゃねぇ」
「なあに?神楽ちゃんの知り合い?」
と、神楽の隣にいたポニーテールの女の子が言った。
「違いますぜ。昨日もがっ「き、昨日戦った相手ネ!それよりマラソン行くアル」
と、沖田の口を塞いで話を止めてから、お妙の手を取り走っていってしまった。
「一体なんなんでぃ」
そう呟いていたら、すごい早さで近藤が沖田に近づき両肩を掴み
「総悟!知り合いだったのか!志村さんと知り合いだったのか!泣いてたっていうのはお妙さんだったのかぁー!!」
と、沖田をガクガクと振った。
「ス、ストップしてくだせぇ。俺が折れちまいまさぁ…」
走りながら
「俺が昨日言ってたのは、あのビン底メガネのほうでさぁ。隣にいたお妙さんってのは知りやせん」
「そうか…すまんな。つい力が入って」
と笑った。
「お妙さんってのは姉の事ですか?」
後ろからボソッっと聞こえた。
二人は振り返り
近藤「え?君だれ?」沖田「あ、志村」
二人同時に言った。