short!

□蜜
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「慶太…、その、…いつから俺を?」
「………一緒に暮らす前から、だよ」
熱い吐息の合間に、慶太が震える声で呟く。
意外な答えに晴登の手の動きが一瞬止まった。
「そんなに前から…!?」
「うん…」

母が死んだ時、その悲しみから酒浸りになり辛く当たるようになった父から逃げて、雨の中晴登の家へ向かった。
年賀状の住所を頼りに、晴登のアパートの近所までたどり着いた。
学校で見る、晴登の笑顔が見たかった。自分やクラス皆の笑顔を誘う、晴登の快活な笑顔が好きだった。
今見れば、この辛さも吹き飛ぶと思い、雨の降りしきる中、晴登のうちを目指して歩いた。
だから偶然、傘を差した帰宅途中の晴登に出くわした時は、救われた思いで抱きついた。
以来、三年、晴登はずっと慶太を側に置いてくれている。

「慶太…!」
晴登は慶太の健気さに、たまらず口づけをした。
そのまま畳に押し倒し、慶太の両膝に手を添えて股をやんわりと割る。
「やっ……先生、」
開脚された恥ずかしさで、慶太が思わず唇を離す。
「慶太、フェラって知ってるか?」
「……噂には、聞いたことあるよ」
経験豊富な同級生の自慢話を何となく耳にしていた。
「手でやるよりも、ずっと気持ち
いいんだ」
言うやいなや、晴登は慶太の股の間に顔を埋める。
「ダメ…!先生、!?」
慶太の制止の声など無視して、晴登は追精を待つ小さな性器を口に含んだ。
口の中にスッポリと収まったそれは、まるでキャンディを舐める感覚で、舐めれた。
あめ玉を転がすように舌で転がし、時に蜜を味わうように舌で吸う。
嫌悪感などどこにもなかった、それどころか、極上の蜜飴を舐めているような感覚で舌が吸い付く。
唾液で湿った音をたてるたび、慶太の口から小鳥の囀りのような歓喜の悲鳴が漏れ、髪の毛が揺れる。
「先生ぇ…、だめぇ。離して、出ちゃうよぉ……!」
「いいよ。出しちゃいな、」
ひときわ緩急を付けて吸い上げると、快楽に震え、宙に浮いていた慶太の足がピンと緊張に強張り、つま先がツンと上がった。
慶太の瞼の裏が眩しく白に輝き、果てに導かれた瞬間だった。
晴登の口の中に青臭い味が広がり、それを飲み干す。
乱れた呼吸で恥ずかしげに慶太が頬を染めた。
「恥ずかしい…早かったかな…」
「初めはこんなものだよ」
口の端を手の甲で拭ってから、晴登は慶太の目を覗きこみ慰めた。
「どうかな、少しは楽になれたか?」
「うん。すっごく、気持ち良かった」
「そ
うか。それは、良かった」
額を当て合い、互いの目を見て微笑みを交わす。
自然と、ちゅっと音を立てて唇が触れ合った。
離れると、晴登が口を開く。
「もう、服を着た方がいい。風邪をひくよ」
すると、慶太が意外そうに目を丸くする。
「ウソ!?。何で?」「何でって、これ以上先へ進んだら、お前の体じゃ、身がもたないぞ。今日は気持ちのいいところで終わっておこう」
「そんなの!俺だけ気持ちがいいんじゃオナニーと変わんないじゃん!先生も気持ち良くなってよ!」
胸にすがりついて、慶太の必死な目が晴登を見上げる。
今まで抑えてきた理性の堰にヒビが入る。
「お願い、先生。俺、先生と感じ合いたいんだ。最後まで連れて行ってよ」
慶太は晴登の手に指を絡め、ギュッと握った。
まるで、今、心中の誓いを立てたかのような決意の強さだ。その、感覚に誓いな。
晴登は罪に身を投じる戦慄を覚えながら、それさえ背徳的な欲望に成り代わり、堰を切って溢れ出すのをもう抑えることは出来なかった。
理性が崩れた瞬間、2人して床に崩れていった。
床も崩れ落ち、闇に沈んでゆく感覚を味わう。
一緒に堕ちれば怖くないよ、というように慶太は晴登の首にしっかりと腕を回してい
た。
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