Book special
□守りたかったのは
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※アヤナミ女体化です。
−守りたい、なんて。
本当は、ただの………。
「…少佐、つかぬ事をお聞きしますが」
「んー?」
「今何を書かれているんですか?」
ブラックホーク執務室では、上司とそのベグライターが書類整理をしていた。
「え?サインだよー?」
「ですよ、ね…」
普段なら、怒鳴られている上司ことヒュウガは、今日は黙って書類整理をしている。
そして、ベグライターことコナツは、一生に一度見れるかどうかの奇跡をただ呆然と見つめていた。
「うぅ……」
−それから数十分後。
ヒュウガが呻き声を上げる。
根を上げたかと思ったコナツだが、そうではなかった。
「…朝から、頭痛いんだよね……」
「えっ、だから書類整理を?」
「酷いなー」
「お休みになって下さい」
そのためかと、納得したコナツは休む事を勧めるが、ヒュウガは、断る。
書類整理をしたい訳ではないのだが、午後から任務が入っているからだ。
「では、薬を持ってきますから、それくらいは飲んで下さいよ?」
「ふぇーい…」
頼りない返事を聞いてからコナツは部屋を出る。
しかし、すぐにまた戻って来た。
「……日程変更だ、今から移動する」
「すみません、少佐」
「?どうかしたのか?」
「それが「何でもないよアヤたん」っ少佐」
「そうか…?」
軍唯一の女性参謀長官アヤナミを連れて。
どうやら途中でバッタリ会ったらしい。
−こうして、ヒュウガの体調不良をうやむやにしたまま、戦地へと出向く事になった。