Book special
□special cooking!
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「今日はね、ハクレン君が料理を作ってくれるんだよ」
ミサが終わり、フラウ、ラブラドール、カストルは食堂へ続く道を歩く。
“ハクレンの手料理”
早く食べてみたいと、三人の足取りは無意識に速くなっていた。
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「あっ、フラウ!」
食堂の手前で、テイトと三人はばったりと出会う。
いつもならもう少し遅い時間に来るテイト。
(思うことはみんな同じか……)
そう思ったことさえ同じだとは誰も知らず、彼らは食堂へ足を踏み入れた。
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「あっ、皆さん!」
少し早すぎたのか、食堂には皿を並べているハクレンの姿があった。
「何か手伝うことあるか?」
テイトはそう聞くが、ハクレンは首を横に振り、
「今、料理運んでくるから、ここで待っていてくれ」
“フラウ司教たちも、どうぞお座りになっていてください。”
愛らしいエプロン姿を着ながら言うハクレンが、新婚夫婦の妻に見えたのは、気のせいだろうか。
笑顔を向けられた司教たちは、そんな錯覚を見た。
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