Book special
□special cooking!
1ページ/4ページ
※ハクレン+教会
「えぇっ!? いつも料理を作ってくれる人たちが、集団インフルエンザですって!?」
声をあげ、カストルはラブラドールの言葉に驚きを示した。
対するラブラドールは困ったような顔で話を続ける。
「今日はミサがあるでしょ? だから、僕ら司教は作る暇がないんだよね。シスターに聞いてみたけど、みんな料理は壊滅的って言ってたし……」
どうすればいいだろうか。
そんなとき、困り果てた二人の前に一人の女神(notヒーロー)が現れた。
女神は美しい金色の髪をなびかせ、二人に笑いかけた。
「どうされたんですか?」
「あぁ、女神……。じゃなくて、ハクレン君! ちょうど良いところに来てくれました!」
「は、はぁ……」
いつもにも増して変なカストルにハクレン戸惑うが、それでも笑顔を崩さないというのは、なかなかできることではない。
*
「……っていうわけなんだよね」
「それは大変ですね……」
ハクレンは、二人から事情を聞き何かいいアイディアがないかと思考を凝らす。
しかし、二人がハクレンに事情を話したのは、アイディアを求めたわけではない。
「ということで、ハクレン君が作ってくれませんか?」
有無を言わせまいと、カストルは顔をズィッと近づけ言う。
女神、もといハクレンはそんな様子に断ることはできず……。
「わかり、ました……」
項垂れながらも、カストルの頼みを聞き入れるハクレン。
まさしく女神だ! なんて二人が思っていることを、ハクレンは知るよしもない。
.