Book special
□常に君思考
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「はぁ…」
「うぅ、すみません……」
−ハクレンとテイトの自室にて。
ベッドで縮こまるハクレンの隣に腰かけたフラウが居た。
「お前が謝ってどうする」
「でも…」
「気ぃ失ったのは仕方ねーだろ」
後頭部を打ったからといって、気を失ってしまった事を申し訳ないと謝るハクレン。
フラウは決して怒っている訳ではなく、大事にならなくて良かったと溜め息を吐いたのだが。
「クラクラしねーか?」
「…はい」
「痛くねーか?」
「…はい」
「眩暈とかは?」
「な、無いです」
「んー、じゃぁまだ…」
「だ、大丈夫ですよ?」
そして、次に始まったのは質問攻め。
これも、心配からくるもの。
「…え?」
「あ、いえ、フラウ司教が、その、不安そうだったので」
「あぁ、なら良い」
ハクレンが遠慮がちに言えば、優しく微笑むフラウ。
………この笑顔に、ハクレンは弱かった。
「っ…」
「どうした?顔、赤いぞ?」
「そ、そんな事ありませんよっ」
「そうか?」
微かに紅潮した頬を隠す様にフラウから顔を背ける。
フラウはニヤリと笑い、ハクレンの太腿を触る。
「!な…」
「ん?何だよ?」
「ちょ、止め」
「何も、してないぜ?」
あからさまな悪戯に、ハクレンは黙って見過ごし、少し睡眠を取る事にした。
「…んっ」
「………」
しかし…。
フラウが二人っきりの部屋で何もしないはずがなく、毛布の中に手を忍ばせ、先程と同じ様に太腿を触る。
「ぁ、んっ…っ……」
「厭らしい寝言だな」
声が出てしまうが、フラウはそれをわざと寝言だと言い、ハクレンで遊ぶ。
「止め、て…」
「んー?これは寝言なんだよなぁ?」
「やっ、そこ、駄目ぇっ」
「じゃぁ…止めなくて良いよな」
更にエスカレートし、ハクレンは身を捩らせ、手から逃げる。