Book special
□そっと抱き締めて、
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『教師が学校でいちゃつくのは、許されません!』
根が真面目なのだろう、バスティンはそう言って、学校で触れることも許してくれない。
(でも、頭撫でたいなぁ……)
バスティンがクロイツのクラスの生徒について何か話しているが、今はそれは耳に入らない。
「テイト君は本当にすごいで――っ何しているんですか!」
思わず頭を撫でてしまい、バスティンは声を荒らげる。しかし、怒っている訳ではなさそうだ。その証拠に、頬はとても赤い。
「学校では触らないと、」
「ゴミついてただけだよ」
「ゴミ、ですか?」
「そう、ゴミ」
「ゴミ……」
小さく『ゴミ』と呟いたあと、バスティンは顔をうつ向かせた。
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