Book special

□そっと抱き締めて、
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※クロイツ×バスティン
※クロイツ→国語の先生 バスティン→社会の先生







――昼休み。
授業でも何度しか使わない視聴覚に、二人の教師の姿があった。


「美味しいね、この玉子焼き」
「ありがとうございます」
「だから、二人のときは敬語じゃなくていいって言っているだろう?」
「あ、はい。じゃなくて、うん……」


慣れない口調にバスティンは、違和感を覚え、少し戸惑った様子を見せた。
ただそれだけなのに、そんな姿にクロイツは可愛いなぁ、と思う。

(頭撫でていいかなぁ。でも、一応学校だしなぁ)


二人が付き合うときに約束したこと。それは、生徒や他の先生の前では互いに敬語で話すこと。そして、生徒たちがいるいない関係なく、学校ではそういう恋人らしいことはしないこと。

ここはあくまでも、生徒たちに教育を行う場である。故に、教師が神聖なる場所でそういうことをするのは間違っている。





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