Book special
□嘘の盾は脆く
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「少佐、クロユリ中佐から聞きましたよ!」
告白の次の日。コナツと廊下を歩いていると、「そういえば」と思い出したように言う。
痛んだ胸に気づかないフリをし、ヒュウガは笑顔を作った。
「うん。クロたんは本当に情報が早いね」
「でも、はじめて知りましたよ! 少佐がカツラギ大佐のこと好きだっただなんて」
「まぁね」
(知っているわけがない。今だって、彼のことを恋愛的な意味で好きなんじゃないから)
そう、今だって――
「どうかしましたか?」
「あっ、いや……」
「そうですか。――あっ、アヤナミ様とカツラギ大佐だ」
コナツの目線の先を辿れば、そこにアヤナミとカツラギの姿。
おそらく会議が終わった帰りだろう。
書類を見ながら真剣な表情で話す二人。
しかし、どことなくカツラギは楽しそうに見えた。
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