Book special

□小さな恋の物語
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「――っいい加減にしろおぉぉぉ!」



テイトの叫び声は、教室からまぁまぁな距離にある職員室にも届いたという(担任のフラウ先生の証言より)。



「何で仲良くできないんだよ! 二人とも俺の大切な人なのに、そんな酷いこと言うな!」

「でも、ハクレンが失敗面なんて言うから……」

「カイルだって自意識過剰野郎って言っただろ!」

「……うん」

「やっぱり、テイトは優しいな!」

「ハクレンも! カイルは俺の恋人なんだ! 酷いこと言わないでくれ!」

「っ! そんな失敗面より、俺の方が、」

「だからそういうことを言うなって言ってるんだ!」



テイトが机をバンっ、と叩く。

滅多に物を叩くことのないその行動に、ハクレンは口をつぐんだ。



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