Book special
□小さな手の中に
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「最近、カルが元気ない」
テイトを部屋につれたあと、軍の方から呼び出しがかかり、カルは行ってしまった。
『そうですね』
世話係であるクレナは話すことができない。
故に、クレナは紙とペンを使ってテイトの言葉に答える。
「カルが元気になる方法、なんかないかなぁ……?」
『贈り物をしてはどうですか』
「贈り物……?」
『私にくださったように』
「でも、それでカルは元気になるかな」
『私は嬉しかったですよ』
「本当!? なら明日、カルにプレゼントするよ!」
何がいいかなぁ、と一生懸命考えるテイトに、クレナはほのぼのとした気持ちになる。
自然とこぼれる笑みに、テイトも愛らしい笑みを浮かべた。
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