Book special
□小さな手の中に
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※カル←テイ
「カル! おかえりなさい」
屋敷に戻ると、テイトが笑顔で迎えた。
その傍には、クレナの姿もある。
「ただいま。いい子にしてたか?」
テイトの頭を撫でてやると、嬉しそうに目を細める。
こいつは本当に頭を撫でられるのが好きだな、と思いながらカルはその小さな手を取った。
「部屋に行こうか、テイト」
「うん」
無邪気な笑顔は自分だけに見せる特別なもの。
いつかこの笑顔を見られなくなるときが来るのだろうか、と想像もつかぬ未来にカルはため息を漏らした。
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