Book special

□私的恋愛論
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※現パロにさせて頂きました。





−これは、仕方の無い事。
だって、大事な、大切な
君だから………。

















「…遅い」
「………も、もう少しで来ますよ!」


−駅前。
人々が忙しなく行き来する中、目を引く長身の男、アヤナミと、その恋人、ハクレンはいつまで経っても姿を見せない2人に苛立っていた。
…主にアヤナミが、なのだが。


「はぁー…あいつと待ち合わせをするとろくな事がない」
「もう40分過ぎてますね……」
「…っすみません、遅れました!」


呆れきって居ると、二つの人影が走り寄って来た。
その主は…


「悪ぃな、寝坊しちまって」
「はぁ、私が起こしに行かなかったらどうなってたか」


2人が待っていた張本人達であった。
金髪のいかにも不良な外見のフラウと、同じく恋人のバスティンだ。


「………全く、お前は迷惑をかけてばかりだな、フラウ」
「はっ、よく言えたもんだぜ」
「何だと…?」


遅刻して早々、険悪なムードになってしまった。
ハクレンとバスティンは目を見合わせ、目的地への移動を促す。


「あの、早く行きましょう?アヤナミ先輩」
「そうですね、ほら、行きますよフラウ」
「「…分かった」」


不服そうな2人に苦笑し、水族館へと向かう。
今回の目的地は、水族館なのだ。


「楽しみですねっ」
「はい、あ、ハクレン君ちゃんとチケット持ってきました?」
「あーぁ、お前が居ると気分も下がるなー」
「奇遇だな、私もだ」


−そもそも、何故こんな相性の悪い(一部)二組が世で言うWデートをしているのか。
元々は、ハクレンが友人のミカゲから強引にイルカショーのチケットを押し付けられたのがきっかけ。


「ようこそ!今日は存分にお楽しみください!!」
「うわぁー…すごい」
「結構広いんですね」


どうしようかとアヤナミに相談し、初めは知り合いのカストルとラブラドールを誘っていたのだが、用事が出来たと断られたのだ。
…そして。
“代わりに誰か誘っておく”と言ったその誰かが、この2人だった。


「…まだイルカショーまで時間がありますね」
「あ、じゃぁ俺あっち見たいですっ」
「行きましょうか」
「「………」」


−約二名が険悪な雰囲気を保ち続けたまま、水族館の奥へと進んでいく。
無事に帰る事はできるのか………?
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