死神の鎌-Death's scythe-
□第1話
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…突然に目を覚ました。
体が…変……??
そう思った時、映像が頭の中を駆け巡った。
人を…何百人、何千人、何万人…己の体で切り刻んだ映像が…
「─うぐっ…あぁ゙っ!!!」
とんでもない程の情報量に頭痛がする。
いや、頭という部位があるのかすら分からない。
俺は、赤黒い大鎌になっていた。
いわゆる、前世の記憶は確かにあった。
最後に想ったことも…
「はじめましてなのだよ。大鎌君?」
そうきこえたかと思うと、目の前にはおかしな格好をした少女がいた。
白い髪を緩く左前に結び。
どういう仕組みなのかは分からないが、巫女装束と軍服のえり。
よくリレーなどに使うタスキのような形のファー。
右手にはよくお姫様とか貴族の人がはめていそうな七分程ある薄地の手袋、左手には普通の毛糸の手袋。
右足は学生服のようなスカートに白のニーソ…しかも途中でボロボロに引き裂かれていて赤いリボンが巻き付いた赤いハイヒール。
左足は赤い袴にヒールの入ったブーツという姿…
そして、なにより特徴的なのが…頭に生えて(?)いるもの…右にうさ耳、左にねこ耳…………。
そして、お尻のところから犬だか狼だかの尻尾がのぞいている…(おそらく、前者。)
これを“おかしい”といわずになんというか…;
─お前誰だ
そういいたかったが、あいにく声がでない。
「我は、カミサマなのだよー!」
ほう成る程……ってなんで俺が思ったことがわかるんだ?
いや…それより、かっ神様!?!?
当然ながら声は出ない…
「“ココ”のカミサマなんだから、道具の言葉くらい分からないとやっていけないのだよ〜っ!!
あぁ、それと×2!カミサマなんてそこらへんに転がっているのだよー?」
な、なるほど…
……って!!神様なんてそこらへんに転がってるもんなのかよっ!?!?
「転がってるはいいすぎだったかもしれなかったのだよ〜
あぁ、そういえば本題がまだだったのだよ!!
単刀直入にいっちゃうのだよ??
大鎌君のいた世界の神様が
ちょこぉーーーーっっとヘマしちゃったみたいで……
転生先を間違えちゃったらしいのだよっっ!!!」
………………は?
「いや〜ハハハ←
死ぬと、生まれ変わるのだよ!所謂転生ってやつだねっ!
まぁ、極悪人でなければその転生する権利を得られる。
で!大鎌君も生まれ変わったのだけども…」
…けども??
「あ〜………
えっと!パラレルワールドってわかるかな??
たくさんのパターン的なものがいぃ──っぱいある世界…みたいなものなのだけれどぉー…
それにはパターンだけでなくほかの…ただ 人が妄想したり、想像したり、望んだり、夢見たり‥
マンガや小説、ドラマ…そういったものの世界がすべてあるのだよ。
普通は、同じ世界をず──っと生まれ変わっていてそれを延々と繰り返しているのだよ。
なのだけれど、今回はちょっと例外でねぇ〜
確かに大鎌君がいた世界の神様がヘマをしたっていうのもあるのだよ??
しかし、大鎌君があることを望んでしまったおかげで少し間違いが生じてしまったのだよ。
神とは、基本的に人の願いを叶えるために在る。
人の望みを叶える。
それが使命であり、神にとっての存在意義なのだよ。
人の願いを叶える行為は、ほぼ自動的に行われる。
大鎌君。
君は死ぬ時何を望んだ??」
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