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□スキあらばキスもねらいます
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今日も今日とてノボリさんに会いに行く。

そして大きな挨拶をして抱きつくんだ。

そしたらノボリさんは「またですか」って項垂れて私を会話をしてくれる。
その会話が楽しすぎてもう。もうったら!

そして、お昼休み。

私は毎日お昼にノボリさんのお弁当を届けに行く。
もちろん勝手に、だ。
頼まれた訳じゃないけど毎日作る。それが日課になっていた。


最初は、だめだめだった。

タマゴ焼きはすぐ焦すし、包丁を扱おうものなら必ず怪我をする。

だけど。ノボリさんの為だから。
だから頑張ったんだ。

お料理の本を買って。
毎日夜、ずーっと練習して。

クダリに味見手伝ってもらって、気絶させた事があったなあ。

…あれは過剰なリアクションだと思う。





ノボリさんが休んでいるだろう部屋(車掌室)に入っていく。

うーん、珈琲の匂いが充満してる。
きっといっぱい飲んだんだろうな。

さーてとそんなことはどうでもいいから、ノボリさんノボリさんっと…。


「あ」


居た!!ノボリさんだ!!


…でも。



…寝てる。



疲れちゃったのかな。

ソファに座って書類持ったまま寝ちゃってるよ。可愛いなあ。

話せない事に寂しさを感じながらも、ノボリさんが座るソファの横に座る。

ってか、書類持ちながら寝てるって。
きっとクダリがさぼったせいだろうな。
ノボリさん幸薄そうな顔してるもんなあ…。

…横から見ても綺麗な顔。

きっとこんな事ができるのは私だけ。

大勢の人がこの人の為にここに来たりして、必死に気を引いたりして。

だけど貴方達の努力なんて水の泡だよ。


だって私の方が努力してるもの。

ノボリさんの為に頑張ってるもの。


まあ、クダリが居るって点で、私はちょっと有利かもしれないけど。

だけどさ、そんな事は些細なことだと思わない?


ノボリさんを好きって思う気持ちが誰にも負けない自信があるから、私は頑張れる。



…っにしても、ノボリさんカッコイイわー。

私達貴方の為に色んな努力してるのよ?

気付いてないでしょ知らないでしょ?

…返事が無い。ただの屍のようだ。


ああそう。だったら気付かせてあげるわよ。



チュッ



天使みたいな笑顔にイラだったからキスをした。






ああもう、好きだ。

どうしようもなく好きだ、どうしよう。






「……とりあえず離れてくださいますか」


「うわーお、ノボリさん起きてたの?」


「ええ。貴方がキスしてきた直前に起きました」


「ってことは、なーんだもう知っちゃったんですか!」



窓から見てたクダリの噂で伝わると思ったのに。



「いいですか、そういうことはわたくしにではなくきちんとした――」


「だからー、ノボリさんが一番好きなんですってば」


「…わたくしは恋愛に興味ありませんので」


「そんな事言わずにー。ねえねえねえねえ大好きノボリさん結婚して!」


「嫌です」


なんか最近きっぱりと拒絶されるようになっちゃったな。
ノボリさんも私の扱いに慣れてきた?

それはそれで嬉しい気もするけどね。





ってか、いやーん!










私、ノボリさんとキスまで済ませちゃった!





























 

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