BOOK

□う
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朝ご飯を食べた後、テレビを見ながら牛乳を飲んでいた。

これ、ノボリの家に来てから忘れてたけど私の毎日の日課。

なんとか胸を大きくするために日々頑張っているのだ。

まあ、一部の人には馬鹿にされてる訳だし。(トウヤとかクダリとかノボリとか)


軽く一息ついた時、ライブキャスターから通信がかかってきた。

うわ、こんな清々しい朝にブラックトウヤさんからテレビ電話っぽい。

テンション下がるわー。


「何か用?」


「春菜?起きてる?」


「失礼だな。起きてるよ」


「じゃあ今からギアステーションに来て。着替えは3秒徒歩で3分俺を見つけるのに30秒。分かった?」


「え、ちょ、無理だろ」 ブツン


…。

着替え3秒、徒歩で3分、トウヤを見つけるのに30秒?

後213秒しかないじゃん。

送れたらトウヤにどんな目にあわされるか…

私は急いで支度をした。

ブラックトウヤめ…












ギアステーションは今日も大変な込み具合だった。

きっとバトル目的意外にも、ノボリやクダリに会いに来てる人がいっぱいいるのだろう。

私にはあの二人の魅力がいまいち分からないけど。


着替えに2分かかった私は、なんとか徒歩2分で頑張った。

ノボリの家がギアステーションの近くにあって本当良かったと思う。

さて、後1分30秒程ある。トウヤを見つけるのは簡単だ。


「どこかなどこかな〜、トウヤくーん。…。……」


…自分でもきもいと思ったのですぐさま止めた。


こうなったらライブキャスターでここまで来てもらおうか。


そう考えたその時。



ノボリだ。


ノボリが仕事してる。



いつもシャツにネクタイという姿が日常なので、コートを羽織るノボリは新鮮だった。

…ノボリ、真面目なんだろうな。


なんて思っていると、人混みで見えなかったがノボリと女性が抱きあっていた。














ん?



抱きあって、た…?







待て待て待て、おかしい。


ノボリがそんな不純な事、する訳ない。

だって、だって。


あのノボリだよ?堅苦しいノボリが、だよ?


笑ってる。ノボリが。


何時も私と話すときは無表情なのに。



もしかすると、あれ、あれが、彼女、さん?



美人だ。


胸も大きいし、スタイルも良い。



対する私は?


ぺたん、つるり、ぺたん。


重要な部分はどこも膨らんでいない。



(そっか、そうだ、そうだった)



ノボリには、彼女さんが居たのだ。





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