BOOK

□ま
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うちの家族は、3人兄弟だ。

お父さんと、私と、お兄ちゃん。

お父さんはお酒好きで煙草好きで、お母さんと離婚してからは恋人を作ったりして、私達と全然遊んでくれない。
元々お父さんの性格だから、恋人の女の人とはうまくいったりいかなかったりの様で、今はそっちにゾッコンである。

だけど優しい時は優しいし、言う事も結構聞いてくれたり、面白いお父さんなのでそれなりには好き。

お兄ちゃんには、申し訳ないな、と思っている。
お金のことで何時も頼ってるし、何時もは口数少ないけど面白い時は面白いし、ゲームが得意で何時も私はそれを楽しそうに見ていた。


私にはお母さんが居ない。

だからご飯とかも勝手に食べていたし、買い食いとかも普通。


私にとって、お母さんが居る家庭というのは分からないものである。

私がスポーツの大会で何か大賞を貰っても無関心ではなくちゃんと褒めてくれたりするのかな?
私がいいことをしたら言葉だけじゃなくて、抱き締めたりしてくれたりるすのかな?


時々、お母さんに会いたくて泣いてしまうのも事実。

お母さんの温もりってどんなんだろう。

分からない。分かんないや。








と、いう訳で。






家出してみました。





ここはどこだろう…

道行く人に聞いてみれば、訝しげな顔をされてライモンシティだと教えられた。

訝しげな顔をされたのは、きっと私がこんな大雨の中傘もささずに居たからだろう。


嫌だなあ、こんな人生。

どうせならもっといい家に生まれたかった。

お金とかもまるでないし、私の容姿ももうちょっと良かっただろうに。

日々ストレスがたまる毎日。

どうしてお父さんは、私の事をもっと考えてくれないのだろう?

お兄ちゃんに、「お前は自分の事だけ考え過ぎ」と毎日のように言われるが、それは仕方のない事だと思う。

私は、何を求めているんだろう。


なんで、涙が出てくるんだろう…











「お嬢様」









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