僕らのVestsweetvv
□甘い恋の味
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朝、自分のベッドの中で目を覚ます。
…寒いので、出たくない。
着替えはすぐそこにあるのだが、今は下着だしなぁ…。
だけど、時計を見ればもうすぐ営業時間。
ぎょっとしてベットから飛びおりる。
寒いのは感じたけれど遅刻するのは嫌だから頑張って耐えた。
朝食を抜き、急いで家を出た。
*
「っ、遅れてすみませんっ」
「ん?おお、やっと来たか!」
出迎えてくれた(っていうか店にたまたまいた)のはポッド。
あんな性格なのにこんな早く起きれるのは、やはり習慣になってしまったからなのだろう。
「ポッド、おはよう!」
「おう。早く着替えろよ、後5分で営業だぜ?」
「嘘ッ!」
ロッカーに駆けこみ、ウェイトレス服を着用。
その間わずか1分。脱ぎ捨てた服は放置。
慌てて厨房に出た。そこには、デントとコーンがいた。
「おはようございますッ」
「…春菜?遅いですよ」
「だ、だって…寝坊しちゃったんですよ」
コーンからのお叱りを受けながら、私は思う。
普段の私なら絶対しないだろう。寝坊なんて。
「寝坊?珍しいなぁ、春菜がですか?」
デントさんが食器を磨きながら聞いてくる。
「ええ…私もびっくりですよ…まさか自分が寝坊するなんて」
「どんだけ自分に自信があるんですか?君は」
「自分に自信を持つことは大事だとお母様から聞きました」
「加減があるでしょう、加減が…」
悪態をつきながらデントさんはまた食器磨きに戻る。
コーンさんは私にウィンクをしながら笑みを魅せた。
…ちょ、何ですかその笑み。
「おーい、もうすぐ開店だぞー」
ポッドが叫ぶ。どうやら机拭きをしていたようだ。
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