僕らのVestsweetvv

□仮面
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ある休日、三つ子はゆったりと過ごしていた。
もちろんその中には何時来たのか春菜が混ざって。

ふと、ポッドが頭に過った事を言う。

「春菜ってさ、最初とキャラ変わったよな」

「へ?」

間抜けな返事をした。煎餅を口に咥えているせいだと思われる。

「キャラ…?」

「ああ。最初ちょっとクールっぽい奴で突っかかりにくいな、って思ってたんだけど…案外子供でよ」

「!!」

「あ、それコーンも思いました」

「だよなぁ」

デントは一人台所でアップルパイを作っていた。

「…子供じゃないもん…」

ぼそり、と呟く。

そんなに、子供子供って言われると…私は沈んだ。

「ポッドなんて隕石に当たって死んじゃえ…」

「Σ死!!?しかも隕石!!?」

「コーンはものすごく殺したい…」

「Σ怖ッ!!殺されるほどの恨みを買いましたか!!?」

…そう、だよね。やだよね。
やっぱり子供な私なんて…誰も好きになってくれないよね。
男の人は女性らしくて大人っぽい人が好きなんだもんね…。
最初に、戻らないと…。

本当の私は、誰も好きじゃないんだから…。
偽りの私を、皆は好きなはずなんだから…。
信じないと。自分で、言い聞かせて…。

「…ポッド、コーン。お暇をもらってもいい?」

「お暇も何も今日自体お暇ですけど…」

「そう…。…じゃあ、ちょっと出かけてくる…」

「おー、きをつけてなー!」

元気よく手を振るポッドとは裏腹に、扉に手をかける春菜は確かに落ち込んでいるようだった。
その10分後、デントがアップルパイをもってきた。

「お待たせ。できたよ」

「おお!待ってたぜ!!」

「…あれ?」

デントは周りを見渡す。何を探しているのか、コーンには予想がついた。

「春菜なら散歩に行きましたよ。えらく落ち込んでいるようですので、慰めてきてあげてはどうですか?」

「え?お出掛け?って、なんで僕が!!」

あからさまに嫌がるデント。
…でも、やはり気になるようでソファから立ち上がって

「ちょっと買い出しに行って来ますね」

と出ていってしまう。
コーンはふふ、と微笑んだ。

「買い出しって…必要なもんは昨日俺様が買ってきたぜ?」

口の周りにパイのカスをつけながら、ポッドは首を傾げた。

「恋事ですよ」

「コイゴト?なんだよそれ」

「…ポッド。僕の分のパイは?」

「え?…あ、すまねぇ、全部食っちまった!」

頭を掻きながら、ポッドはえへ、と舌を出す。
コーンは呆れてため息をついた。





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