僕らのVestsweetvv

□静寂の中で
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「ふふ♪」

「気持ち悪ぃ。どうしたんだよ」

「初めの一言ものすごく余計なんだけど」

私が気分良く微笑んでいると、ポッドが横からきて話しかけてきた。
相変わらず女の子にも容赦ねぇ奴だ。
あ、でもお客様にはちゃんと敬語だし…。
もしかして私、特別な存在だったり?ふふ、なーんてね☆

「安心しろ。違うから」

「…」

心が読めるんですか貴方は。何気に超酷ぇし。
安心ってか寧ろ不安全開なんだけど!!


「もうそれいいから、どうしたんだよ」

「あは、聞きたい?」

「や、もういいです」

「ちょっとお!!待ちたまえ!!そうだねー、そこまで聞きたいんなら聞かせたげない事もないけどねー」

「や、いいです。遠慮しときます」

「え?聞きたい?しょうがないなぁもう。ポッドはホントにー。…ま、しょうがないから聞かせてあげるよ」

ポッドは押してくる私を訝しげに見て押し返してきた。

「教えるんなら早く教えろよ」

「あ・せ・ら・な・い・の」

「ゴメン。俺用事あるから行くわ」
「ごめんなさいぃぃぃぃ!!!ちょっとふざけてましたあああ!!真面目にします真剣に頑張りますから聞いてえええ!!」

必死の説得により、ポッドをとどめることに成功した。
…ふう、あぶねぇ。
この幸せ、誰かに言わずにはいられない!

「で?マジでなんな訳?」

「実はー…私!彼氏が出来ました!」

「…は?」

悪い冗談はやめろ、なんて、声に出してしまいそうなポッドだった。
あ、別に悪くはない、けど…。

「あのねあのね、カノコタウンのチェレンっていう人なの!前此処のお店に来た人でね、すっごくかっこいいんだよ!」

自慢げに話す春菜に、ポッドは焦るばかり。
表面は涼しい顔して聞いているが内面は混乱状態。
しかもあの話しよう、とても冗談には見えない。こちらがそれは嘘だろうと言ったら逆に泣きだしてしまいそうだ。

「…えーっと…誰だって?」

「チェレン!」

「チェレン…。…はっ…、そいつ、強ぇのかよ」

「うん!すっごい強いよ!」


チェレンに勝った人

ポッドは口角を吊り上げる。
強いポケモントレーナーが居ると聞いて、静かになんて出来ないのが彼の性。

「よし!俺がそいつをお前の彼氏に相応しいかどうか見極めてやる!」

「何急に!!止めてよ、変な人だと思われちゃう!!」

「分かった。普通にバトルをするだけにする。何もいわねぇ」

「ホント?それなら…まぁ、いいけど」

「うぉぉお!!燃えて来たぜッ!こい、バオップ!!特訓だ!!」

そう叫んで熱い青年は飛びだして行った。
…熱い子。

相性的にはポッドの方が有利だけど…。
チェレンはツタージャだからなぁ。
あ、もう進化したんだっけ?
なんだっけ?つ…、じゃ…。分かんない。
まぁいいや。んな事。

私はそれからチェレンにポッドの事を知らせて、勝負してもらうことにした。
ごめんね、って謝ったらチェレンは、いいよ、って言ってくれた。
優しいっ



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