僕らのVestsweetvv
□日常
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「あー、ひーまー」
何時ものウェイトレス服に着替えて、本来客が座るはずの椅子に座る。
デントやポッド、コーンがそれを見ても何も言わないのは、一向に客が来る気配が少ないのと同時に、今店内には彼ら以外に誰もいないからだろう。
「春菜、暇なら勝負しようぜ!」
「今度の暇なときねー」
ポッドの誘いをざっくりと切り捨てる。
最初ポッドと敬語で話してみた所「敬語止めろよきもち悪ぃ」と言われたので素直に止めることにした。
ある意味ポッドって一番酷いと思う。
「…デントさーん…」
くるり、と向きを変え、食器を洗っているデントに視線を向ける。
「なんですか?」
「暇ですぅー」
「じゃあジムの方の掃除でもしといてくれます?」
「嘘です冗談です。あー忙し。誰か手伝ってくんねーかな」
デントさんの馬鹿ぁぁあああ
暇なんだから遊んでくれたっていいでしょ
いじめなくったっていいでしょ
あんな広い所、掃除なんて出来ない!!
「コーンーさーんー」
「はい?」
「デントさんがいじめてきますぅ」
「それはいけませんね。直ちにジュンサーさんに連行して死刑にしてもらいましょう」
「ああああごめんなさいいいい!!私が悪いんですううう!!」
そんな大事にしなくても!!
っていうかなんで皆私をいじめてくるの!?
こんな黒かった!?
初めて来た時はこんなんじゃなかったのに!!
…っていうか、コーンさんがそう言った時デントさんが少し顔を引きつらせたのを私は見逃さなかった。
「はーあ、デントさんとコーンさんはいじめてくるし、ポッドは相手してくれないし」
「ちゃんとしてるからな?お前が回避してるだけだろ」
ポッドは笑みのまま言う。
怖ぇ。怖ぇよポッドさん。
「つかさ、お前一回も勝負してくれねぇじゃん。なんで?」
「…そ、れは…」
言葉に詰まる。
それを察してくれたのか、ポッドは、まぁいいけどさ、と言ってくれた。
「それよりも、客がもうすぐ来るんじゃねぇの?準備しとこうぜ」
「あ、…うん、そうだね」
私は立ち上がり、机拭きなどをすることに決めた。
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