僕らのVestsweetvv
□美女、来日
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ギィ
「いらっしゃいま…」
デントはそこまで言いかけて止めた。
…はっきり言おう。あの女が来た。
苦笑いを浮かべる僕をちら見して、美しい容姿の彼女はぶすっとした表情で言う。
「…この店はジムだけじゃなく接客もまともにできないの?」
「すみません、お帰り願えますか」
「はぁ!?ちょ、なんでなんで!?お客様だよ!?わざわざ来てやったんだよ!?お客様は神だって習わなかった!?」
幸い、早い時間帯だった為、春菜さんの他に客は居ない。
だからデントも遠慮などしなかったのだろう、今ではお互い扉の押しあいをしている。
「やだっ、ごめん!!前言撤回!!此処の店は接客も完璧で味も最高ですッ」
「そんな褒めても入れませんよ?」
相変わらず黒い笑みで押し返すデント。
「ち、違うんだって!本当に大切な用があるの!」
そう叫ぶと、3人は首を傾げた。
デントは押し返していた扉をぱっと離し、彼女を店の中に通そうとした。
「っ!?いだっ!」
だが、扉を押していた彼女は、急な力の無くなりにより、扉に顔面衝突した。
「…あ」
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