BOOK

□just be friends
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なんでこんなことになっちゃったんだろう。




私はただ、どっちも大切にしたかっただけなのに。



どっちも大切なはずなのに。












ごめんね、二人とも。



































「ねぇねぇ、春菜!」


友達の紺子ちゃんに名前を呼ばれてハッとする。

「な、なに?どうしたの?」

「なにって…大丈夫?ぼーっとしてたけど」

しんしんと降る雪を、窓から眺めていた。
雪はあの人を連想させる。
だから見とれてしまったのかもしれない。

だけど、紺子ちゃんには悪い事をした。
お話し中だったのに…。

「ごめんね、ちょっと考えごとしてたかも」

私がそう言うと、紺子ちゃんはにぃ、といやらしそうに笑って、私に詰め寄った。

「考えごとって、あの人の事でしょ?」

「え?あ、あの人って…どの人?」

「もう、とぼけないでよ!」


まさか、紺子ちゃんにばれてる?

私の好きな人の事…。



「吹雪士郎くん、でしょ?」











「呼んだ?」






…。



…え?




今の声…は




紺子ちゃんと同時に、後ろを振り向いた。




そこに居たのは、紛れもない声の主、吹雪くん。



吹雪、士郎くんだった。



「…え?」

「おはよ、春菜ちゃん、紺子ちゃん」

「お、おはよ…う、吹雪くん」

紺子ちゃんはなんとか挨拶してたみたいだけど、私は驚きで声が出なかった。

「…あれ、春菜ちゃん、無視かな?」

がっくりとした様子で吹雪くんが聞いてくる。
あ、ち、ちが…

「お…おはようございます!」

「なんで敬語なのか分からないけど…、うん、おはよう」

にっこりと笑う吹雪くん。











それが、私と吹雪くんとの出会い


そして、紺子と吹雪くんとの出会いだった。







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