僕らのVestsweetvv
□静寂の中で
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次の日…。
「早く来ないかなぁ〜♪」
「気持ち悪いので♪つけないで貰えますか」
「だって楽しみだもん♪」
「だからつけるなっつってんでしょ」
「やだ♪」
「つけるな」
「無理♪」
デントは呆れるしかない。
なんだ、そんなに浮かれて。大体今日は営業日だぞ。真面目に仕事を…。
「あー、楽しみ」
「そんなに楽しみなのですか?」
コーンが聞くと、春菜は笑顔で頷く。
「だって、私の彼氏だもんっ」
「彼氏彼氏って…そんなものに現抜かして仕事サボんないで下さいね」
はっと笑いながらデントは言った。
しかしそんな毒舌も今日の彼女には効かないようで普通に「うん♪」と返されてしまう。
その様子にデントはまた舌打ちをする。
「しっかし、春菜に彼氏なんて意外だなぁ」
「どういう意味?」
ポッドの言葉にムッときた春菜は彼をじろり、と睨む。
しかし、次のポッドの爆弾発言にその場の空気は一転した。
「だって俺、てっきりデントと春菜が好き同士なのかと思った」
「…」
「…」
「…」
「…え、ちょ…なんで無言?怖いから止めろよ」
まさに凍える吹雪。
氷のようにデントが険しい表情をして固まっていた。
春菜は笑みを引くつかせ、何故かコーンはにやにやとしている。
「…ポッド、安心して!」
「へ?」
「そのうち私がデントさんと結婚するから!」
「おー!マジでか!期待してるぜ!…って…」
「「「はぁぁああああ!!?」」」
ポッドを含め3人が叫んだ。
デントは納得いかないと春菜に詰め寄っていて、ポッド、コーンも同様だった。
「何言ってるんですか!!!ポッドの発言もですけど気持ち悪いです!!」
「どーしてですか?私、将来の夢は花嫁と決めてるんです…」
「へー、じゃあもし結婚したらお祝いに行きますね」
「…。…じゃなくて、あの、そう!デントさんと結婚する事が夢なんです」
「奇遇ですね。僕と同じ名前の人ですか」
「今私の目の前に居るデントさんです!!」
「すみません僕ヤナップと結婚するんで」
「ナップ」
「お前ええええ!!可愛いと思ってたのにライバルだったのか!!」
意味分からなさそうに首を傾げるヤナップを抱きあげる春菜。
ポッド、コーンはやれやれとため息をついた。
「…ごめんなさい、デントさん。私やっぱり貴方と結婚できません」
「そーですか。寧ろ嬉しいですありがとうございます」
「そんな…、僕のプリンセスは君だけだ!″なんて…っ」
「言ってません。言ってませんよ。勝手に脳内変換しないでくださいます?」
「え…っどうして駄目なのか"…って…?」
「君の頭は大丈夫ですか?」
「キスしたい"?…どうぞ…」
「誰がするかああ!!」
「えっ、だ、駄目ですよっ、そんな僕と熱い夜を過ごさないか"だなんてっ」
「言ってません。そんな気持ち悪いこと!!」
「…しょうがないですね、でも、優しくしてくださいね…?」
「だぁぁかぁぁらぁぁぁあああ!!!」
息を切らしながら、デントは突っ込む。
突っ込みだけでこんなに汗をかくなんて。
「デントさん、意外と乗りますねぇ」
「何処がですか!!?頭可笑しいんじゃないんですか!!」
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