PEACE MAKER短編

□友の居ない日々
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今日は非番の日であった。空は青く澄み渡り、小鳥は囀りながら宙を自由に飛び交っている。そんな空を眺めながら、新選組二番隊隊長・永倉新八は街の中を宛ても無く歩いていた。ぼーっとして、特にこれと言って考えることもない。隊務の事だって、今日はそのようなことをしなくていいのだから、別に考えなくてもいい。新八は、視線を空から街の中へと向けた。見渡せば辺りは賑やかな街の光景が広がっていた。そんな行き交う人々を見ながら、新八はぽつりと呟いた。


「左之今日非番じゃないって言ってたから1人で街まで来たけど、やっぱちょっと暇だなぁ……」


特に話し相手も無く、ただただ宛て無く歩くばかり。そんな彼の目に飛び込んできたのは、小さな店だった。店前の棚には、菓子などが売ってある。新八はその店に近付いて行った。菓子の中には、金平糖などの菓子の名前が袋に書いてあるものが沢山売ってあった。彼は金平糖の袋を3つ手に取ると、懐から金の入った巾着を取り出した。


「折角街に出て来たんだ、土産くらい買って行ってやるか」


そう呟いた新八は、店の奥に居た店主を呼び、金を払うと、巾着と共に金平糖の入った袋を懐へ入れ、また歩き出したのであった。


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