銀魂短編
□candy rain
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「……神楽ちゃん、いくら嫌だからって定春を散歩に連れて行かないのはどうかと思うよ?」
銀時の隣に座り、お茶を啜りながら新八は言う。
「大体、ほとんど俺が散歩に行ってんだぜ。たまにはお前が行って来い。全く最終的にお母さんが世話することになんだよ。アレ?俺お母さん?」
「銀さん、それ前と同じようなこと言ってますから」
と、呆れたように新八がツッコむ。神楽は今まで寝転がっていた体勢をソファーの上に正座する体勢へと変えていた。
「……分かったアル。行けばいいんだろ?チクショー……」
漸く観念したのか神楽はのろのろと立ち上がり、玄関へと向かった。
「行くヨ、定春」
手招きをした神楽に定春が付いて行く。定春の名前を呼ぶ神楽の声が何となく元気が無いように感じた。玄関が閉まる音が聞こえた。
「……神楽ちゃん、今日あんまり元気かったような……。何となく顔色も悪かったって言うか……青白いって言うか……大丈夫かな?」
玄関の方を見つめながら新八は呟いた。銀時はテーブルの上に置いていたジャンプを手に取り、ページを捲っていた。
「夜兎族って日に弱い種族だろ?あいつが顔白いのはいつものことだよ。放っとけ、どうせ反抗期だろ」
「……だったらいいんだけど」
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