銀魂短編
□candy rain
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「おい、神楽。おめえ、定春散歩に連れて行けや」
と、銀時がソファーに寝転がっている神楽に声を掛けた。うつ伏せに寝ていた神楽はのろのろと顔を上げ、銀時の姿を探した。テーブルを挟んで向かい合わせになっているもう一つのソファーに銀時は座っていた。
「……嫌アル。今日雨降ってるし……」
「雨が降ろうが槍が降ろうが犬の散歩はやんなきゃいけねーんだよ。大体お前が定春の面倒見るっつたんだろ。責任持って散歩して来い」
「……嫌アル。それに何だか今日しんどいアル……。銀ちゃん代わりに行って来てヨ」
「あのなあ……」
銀時が反論しかけたのとほぼ同時に玄関が開く音がした。
「こんにちはー」
声の主は新八だ。部屋に入ってくるのを待ち、銀時と神楽は戸を見ていた。
「いやー、今日は雨ですね。この分じゃまだ止まないかも……ってどうしたんですか?銀さんも神楽ちゃんも何で僕見て……」
銀時と神楽は声を揃えて同じことを言った。
「「新八、お前定春の散歩に行って来いよ」」
「僕が来て最初に言うことがそれかああああっ!!」
新八、本日初のツッコミである。
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