NT
□素直になれなくて
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「名無しさんちゃん、あーん」
『あーん…ってやるわけないでしょ、ばーか』
「くだらねぇ、死ね飛段」
「なっ、人形のジジイは黙ってろ!!」
「あ?おまえ、喧嘩売ってんのか?」
「もう止めてください2人ともぉ」
「「死ね鬼鮫!!!」」
これが本当にS級犯罪者の組織なのだろうか。
夜ご飯をみんなで食べていたら、彼氏の飛段があーんってスプーンを差し出してきたけどなんか気にくわないからスプーンをリターンしてやった。
だいたいみんなの前であーんなんてやってられるかってーの。
気付くと喧嘩はおさまり、飛段は私に顔を近づけていた。
「名無しさん、ちゅーしようぜ」
『いや、あんたなんかとする訳ないじゃん。汚い』
「ひっでー、彼氏に言う言葉かよ…」
「飛段、それ以上名無しさんにセクハラしたら私が許さないわよ」
『小南姉さん…』
小南の姉御肌に感動し涙をうるうるさせていると、飛段に腕を無理矢理引っ張られ私たちは居間から出た。
『ちょ、痛いよ』
「このまま俺と最高の痛みを味わうか?ゲハハ」
『やめて、まだ死にたくない。』
飛段はそのまま自室へ名無しさんを入れて鍵を閉めた。
『何で鍵閉めんの?!』
「名無しさんが逃げないようにィ?」
『なんで疑問系?』
「なぁ、なんであんなに冷たくすんだァ?俺、すげぇショックなんだぜ?」
飛段は名無しさんの頬に手をやり優しく撫でる。
『だ、だって…い、いいじゃん別に!!勝手にショック受けてなさいよ』
「名無しさんちゃん、そんじゃあ俺新しい女探しちゃうぜ?」
『…』
「反省した?」
俯いて小さく頷く名無しさんを可愛いと思い飛段は力一杯抱きしめた。
「なんであんな意地悪なんだよ、付き合う前は優しかったのによォ」
『だって…みんなの前だとなんか恥ずかしくて…ごめんなさい』
ゲハハハと笑い名無しさんの頭を撫でる飛段。
「名無しさんちゃんって可愛いなぁホント。俺と2人の時はいっぱい甘えろよ?」
『うん』
『あ、因みにサソリのこと悪く言ったら許さないからね!!』
「はぁ?彼氏の威厳ねーじゃん!!!!」