NT
□HIYAKE
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『飛段、日焼けしてるよ。ネックレスの形くっきり』
「は?…あ、マジだ」
こんな真夏に砂漠を歩く。
暁のマントを着た2人。
角都は違う任務に出てしまい、リーダーが私たちに気を使い新婚旅行のつもりで旅をしてこいと放り出された(まぁ付き合ってはいるが結婚はしていない)。
しかも目的地に着いたらしっかり任務を終わらせてこいとか、結局ただの任務じゃないか!!
と思いつつ10日歩き続けた。
「俺の身体にジャシン様が染み込んでくるぅぅぅ!!!!(気がする)」
『ただの日焼けではしゃがないでよ、うるさい。』
「だってこれみろよ!!ジャシン様が俺の身体に刻まれたんだぜェ!!」
ネックレスの跡が残る日焼けを指さした彼に、見つけたのは私だよと言ってやりたかったが暑すぎて無視をかましてみる。
だいたい彼女に愛の言葉もろくに吐かずに毎日ジャシン様ジャシン様って、正直余計に苛つく元である。
『…飛段』
「なんだよテンション低けぇーなぁ」
『し、新婚旅行なんだからもっと私のこと考えてよね!!私なんて、あんたのことで頭いっぱいなんだから!!!!ばーか!!!!』
言ってから猛ダッシュで掛けだした。
すると黒い陰がさっと通り越し、見ると少し不機嫌そうな顔をした飛段が前方に立っていた。
『あんた、暁1のろまなんじゃなかった?』
「…顔、赤ぇぞ」
『暑いんだから仕方ないでしょ!!』
「なんだよ、ジャシン様に嫉妬かァ?」
答えようとしたら、頬を撫でられ半ば無理矢理唇を奪われる。
『…ん、』
唇が離れると、お互いに目を合わせた。
「名無しさんにも俺の熱い情熱で日焼けさせてやるぜェ」
『…全く意味が分からない』
するともう一度キスをし、そのまま砂の上へ優しく名無しさんを寝かせた。
「いっぱい愛してや『あつーっ!!!!!!!!!!』
首の皮膚に直接ものすごく熱い砂があたり、思わず飛段をぶん殴って立ち上がった。
「いっつ…ひ、ひでぇ」
『こんな所でそんなことしようとするお前の方が酷いわ!!!!』
そんなことより
愛の囁きが欲しいの。